運動の「向き」「不向き」は遺伝子だけで決まるものではない。

ACTN3という遺伝子をこ存じでしょうか?

αアクチニン3タンパク質の略で、筋肉の構造に関わる遺伝子のことです。

このACTN3という遺伝子を調べることで、その人に向いているスポーツが持久力系のものか、瞬発力系のものか、その中間のものかが分かるとされています。

この遺伝子を調べるテストは多くあるようですが、その有効性は、議論の余地を残しているようです。

ですが、ある研究では、運動習慣の約62%が遺伝子的要因が関連しているという結果も出ています。

これは、家系による性格的要因の影響が大きいと考えられています。

生活を自己管理できる人はより多くの運動をする傾向にあり、不安や抑鬱を感じている人は日常的に運動をする比率が低くなるといいます。

激しい運動後に分泌されるドーパミンの量などの生理学的な違いも関係するとされています。

これらの結果は、運動向きの人とそうでない人が、ある程度遺伝的に決定されることを示しています。

しかし、ここ数年のその考えが見直されつつあります。

数千人規模の人々を対象に、運動についての行動を予測する遺伝子の塩基配列の研究がいくつも行われました。

その結果、運動向きどうかに影響すると思われる塩基配列は、たしかに発見されはしましたが、そのような塩基配列は、一つではなかったといいます。

他の研究では、運動に関連する遺伝子領域が新たに37も明らかになりました。

つまり、運動に影響する遺伝子というのは一つではなく、何百もの遺伝子が組み合わさって、様々な側面に影響を及ぼしているということです。

すべての遺伝子がスポーツ向きの人も、不向きという人もいません。

たとえば、体質的に減量が難しい人でも、精神的、身体的に優れている遺伝的特徴があるということもあります。

つまり遺伝子は、運動の様々な側面に部分的に影響していますが、日常的に運動するかどうかは、あくまでその人次第ということです。

運動する気が起きないのを遺伝子のせいにしていた人は、新しい言い訳を考えたほうが良さそうです。

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