肩の動きに関する筋は20ほどあります。身体の中では肩は負荷のかかる部分になるため、肩に関するすべての筋に緊張が加わります。

肩のトラブルはだいたい決まった過程を通ります。肩の筋が弱くなり、トリガーポイントによって機能に支障が出て、関連した筋がその機能を補わなくなります。

さらに負荷がかかることで、ドミノ倒しのように次々にトリガーポイントが形成され、やがて、全ての筋に支障がでます。

肩の筋に問題があるとちょっとした動作ができなくなります。背中をかいたり、髪をといたり、両手が必要なときは、調子のよいほうの腕で支障のある手を支えなくてはならないです。

慢性化した痛みは、眠りを妨げ、仕事の効率を落とします。進行すると、肩のトラブルは数ヶ月、時には数年も続きます。

このような症状の診断では通常、関節に焦点があてられます。(関節炎、滑液胞炎、腱炎、腱板損傷、癒着性関節炎)などと診断されがちです。

肩の痛みを肩関節に原因があると決めつけるのは間違いです。近くの筋のトリガーポイントが原因であることもよくあります。

そこで今回は回旋筋腱板を考えてみます。

回旋筋腱板には、棘上筋、棘下筋、小円筋、肩甲下筋の4つの筋があります。

棘上筋のトリガーポイントの痛みは、主として、肩外側の深部の痛みです。時には、上腕の外側から、前腕、手首へと痛みが広がることもあります。

腕を上げようとしただけでひどい痛みが走ります。腕を頭の上に上げるのはほとんど不可能に近いです。

棘下筋は肩の後方にあるにもかかわらず、そのトリガーポイントは、肩前部の痛みの原因の第1位です。

その痛みは通常、関節の深くに感じ二等筋にまで及ぶこともあります。

棘下筋に機能不全が生じた場合、たいてい他の回旋筋がその動きを補助しようとして収縮し、そこに負荷がかかりがちになります。

結果4つの回旋筋全てにトリガーポイントが形成されます。

小円筋の痛みのパターンは棘下筋のそれとは全く異なり、主に上腕との付着部の肩後部の限られた部分に発現します。

小円筋のトリガーポイントは、薬指、小指の厄介な痺れと疼きの原因ともなります。

肩甲下筋のトリガーポイントの主な症状は、肩の後ろの深部に覚えるひどい痛みです。

肩甲下筋にトリガーポイントができると、筋を伸ばすことができなくなり、肩の可動範囲や腕の回旋が制限されます。

肩関節をスムーズに自由に動かすためには、4つの回旋筋がバランスよく、秩序だって働かなくてはいけないのです。

一般に肩関節周囲炎などと呼ばれる症状は、実は、回旋筋のトリガーポイントをマッサージすることで治療することができるといわれています。

 

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ピックアップ記事

  1. 2017-9-22

    リュックサックによる腰椎への圧縮軽減

    リュックサックはバッグとしての優れた役割もさることながら、腰椎への負荷軽減ギアとしても効果を発揮しま…
  2. 2017-9-5

    筋線維の形態的特徴について

    筋の形態は、張力発生能力、可動域、短縮速度に著しい影響を及ぼします。機能に影響を及ぼす形態的…
  3. 2017-8-11

    アフォーダンスとカノニカルニューロン

    随意的な動作は、中枢で生じた運動の意図が顕在化したものであり、「目的」はそれを達成するための筋道を決…
  4. 2017-7-19

    筋の拮抗的・共同的中和

    運動を円滑に遂行するために骨格筋はそれぞれ主動作筋、共同筋、拮抗筋と役割を持ちます。一般には…
  5. 2017-7-18

    クレンチング(食いしばり)と運動の関係

    クレンチングとは、無意識的に上下の歯を強く噛みしめる動作をいいます。習慣化されたものはブラキ…

FACEBOOKもチェック!

注目TOPIC

  1. 2017-2-4

    ケトルベルで筋肉のバランスを整える

    ケトルベルはダンベルやバーベルとは違い重量が一方向に偏っています。この特徴により、身体に高負…
  2. 2015-4-6

    ウィルチェアラグビー

    皆さん、ウィルチェアラグビーはご存知ですか?https://www.youtube.com/…
  3. 2017-5-15

    暑熱順化と運動トレーニングの影響

    私たちが運動トレーニングを続けたり、暑熱環境にたびたびさらされると、深部体温や皮膚温が上昇して発汗す…
  4. 2017-9-16

    腱や靭帯と年齢について

    骨格の成熟度と加齢は、靭帯と腱のバイオメカニクス的性質に大きく影響します。一般に、引張強度、…
  5. 2016-1-8

    筋の粘弾性性質と収縮活動

    筋緊張(トーン【tone】)、もしくは筋張力(テンション【tension】)は生理学的に2つの因子に…
ページ上部へ戻る