頭部、顔面、顎関節には主に咬筋と側頭筋の2つの咀嚼筋があります。

この2つの筋のトリガーポイントは、僧帽筋や胸鎖乳突筋のトリガーポイントと同様、顎関節症をはじめとして、頭部、顔面、顎関節の多くの痛みの原因となります。

顎関節の筋のトリガーポイントは、ガムの噛み過ぎ、虫歯、膿瘍、夜間の歯ぎしりなど、様々な原因で起こります。

また、歯の治療は往々にして患者の顎関節の筋を緊張あるいは疲労させ、トリガーポイントの原因になります。

精神的緊張、口呼吸、うつむいた姿勢も、習慣的に顎関節の筋を緊張させ、トリガーポイントを形成します。

むちうち症、転倒、その他の身体的緊張に起因する胸鎖乳突筋、僧帽筋のトリガーポイントは、頭部、顔面、顎関節もトリガーポイントを誘発する傾向にあります。

咬筋は顎関節の力を生む筋で、咬む時に大きな力を発揮します。咬筋のトリガーポイントはいくつかの場所に痛みを生じさせます。

顎関節症の痛みの原因としては、耳のすぐ前の深部組織にあるトリガーポイントが特に重要です。

咬筋のトリガーポイントによって筋は緊張し、ひどくなると口を十分に開くことも難しくなります。

そうして顎関節が硬くなると発声をつかさどる部分も硬化します。

このトリガーポイントは上下両方の歯に痛みを送ります。熱、冷却、触れることに対する知覚過敏の原因にもなっています。

これらの症状が正しく判断されないと、不要な抜歯などの歯科治療を受ける羽目なります。

さらに、目の下のくまの原因の一つでもあります。耳の奥の痛み、耳閉感、耳鳴りを引き起こします。

想像もつかないかもしれませんが耳の内部にひどいかゆみを生じさせます。

セルフマッサージ治療としては、補助を添えた指を使って口の外から行うのが効果的です。

しかし、最上の効果を期待するなら、母指を口の中に入れ、母指と他の指で筋をこねるようにマッサージします。

顎の筋のトラブルを防ぐために長期的にできることは、ガムを噛む、爪を噛む、氷をかじる、歯で物を開けるなどの動作を避けること、緊張やプレッシャーを感じたときに歯を食いしばる癖をやめることなど普段の何気ない行為がトラブルの原因となっているということを認識して生活することが大切です。

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