トリガーポイントを直接処置する最も安全で効果の高い治療法として、ディープ・ストローク・マッサージという方法があります。

注射やストレッチよりも明確な効果があり、また、筋付着部に対するリスクも少ないです。このマッサージは注射と同様にトリガーポイントに対して直接処置ができ、しかも、血管や神経周辺など、注射ではリスクが高い場所に対しても行える、より優れた治療法だといえます。

一般的に、マッサージ治療を実践するということは、トリガーポイントを特定の秒数、あるいは「消失した」と感じるまで押し続けることを意味します。これは虚血性圧迫として知られている方法です。文字どおり、組織から血液を絞り出します。

ただこの方法の問題点は、不要な痛みを伴うことです。

ディープ・ストローク・マッサージは、トリガーポイントの結節の上を何回かストロークすることで、トリガーポイントの不快な痛みや皮膚や筋を傷つける危険を軽減し、さらにストロークを繰り返すことによって得られるトリガーポイントの変化は、虚血性圧迫によるものよりもはるかに大きいです。

トリガーポイントを圧迫するという考え方は正しいでが、ミルキング・アクションを繰り返すことのほうがより血液やリンパ液の流れがよくなります。

さらに、短いストロークを何度も繰り返す方法が、1点持続圧迫するのに比べて優れているもう一つの理由は、断続的な痛みは持続的な痛みに比べて耐えやすいということです。断続的に圧力を加えていく動きは、ただトリガーポイントを押し続けるときよりも深部に効き、しかも治療時の痛みは少ないです。

深くゆっくりと、短いストロークで行い、1秒間に1ストローク以内にとどめ、1回のストロークは、4cm以内でトリガーポイントを横切るように指を動かします。皮膚上で指を滑らすというよりも、指で皮膚を動かす感覚です。

この動きによって、その下の筋膜を緩めることができます。指を離すたびに新鮮な血液が流れ込み、酸素と栄養の供給が行われます。

トリガーポイントがあると、硬直した筋線維がこれらを運ぶ毛細血管を圧迫するため、これらの必要な物質がなかなか供給されないのです。

それともう1つディープ・ストローク・マッサージには、トリガーポイント内の筋線維をストレッチできるという利点もあります。

このストレッチを、通常の筋全体を伸ばすマクロストレッチに対して、ミクロストレッチと呼びます。つまりストレッチが必要な部位にのみ直接作用します。

この方法なら、オーバーストレッチによってトリガーポイントの両側から骨との付着部まで伸びている筋線維の索状硬結を伸ばしすぎることも少なくなります。

 

 

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