筋繊維の特性を考える。

筋線維は大きく、速筋線維(FT線維)と遅筋線維(ST線維)に分類されます。

FT線維は単収縮が速く、張力も大きいもの、ST線維は単収縮が遅く、張力も小さいものです。

最大強縮における筋断面積もFT線維のほうが大きくなります。

一方、ST線維は有酸素性代謝能力が高く、持久力に優れているという特徴を持ちます。

細胞内の酸素運搬にかかわるミオグロビンや、ミトコンドリアでのエネルギー産生にかかわるチトクロームなど、赤色の色素たんぱく質をたくさん持つため、赤く見えることから赤筋線維とも呼ばれます。

FT線維はこれらのたんぱく質か少なく、白筋線維とも呼ばれます。

FT線維とFT線維は特殊な染色法や、ミオシン分子種の違いによる識別法に基づき、さらに細かくタイプ分けされています。

染色法などに基づく一般的な標記法では、遅筋線維をTypeⅠ線維、速筋線維をTypeⅡ線維と呼びます。

TypeⅡ線維はさらに、最も収縮速度が速く、持久力に乏しいTypeⅡb線維と、TypeⅠ線維とTypeⅡ線維の中間的な特徴を持つTypeⅡa線維に分けられます。

またさらにその中間の特性を持つTypeⅡab、Ⅱac、Ⅱc、Ⅰcもわずかではありますが存在します。

一方、ミオシン分子種に基づく分類では、収縮速度の遅い順から、MHCⅠ、MHCⅡa、MHCⅡx、MHCⅡbというように分類します。

ヒトの骨格筋では、MHCⅡbはきわめて少なく、従来染色法などでTypeⅡbとされてきたものはこの分類法ではMHCⅡxとされています。

このように筋線維だけでも様々な違いがあります。

ちなみに、長距離を泳ぐ回遊魚である赤身魚と近海ですばやい動きを求められる白身魚は、それぞれ持久力のある赤筋と瞬発力のある白筋をもつだといわれています。

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