当たり前ですが運動効果を得るには運動をしなければなりません。

運動をするのは楽しいことですが、同時にきつさ、つらさというのも味わうことになります。

もちろん、それは悪いものではなく、むしろそれがなければ運動じゃないという方もいるでしょう。

しかし、それでも一度は「楽して運動効果を得たい」と思うものです。

トレーニングにつきものの苦痛や、汗をかくことすらなく健康になれるのならそれに越したことはありませんが、そんな魅力的な話はありません。

しかし、2008年にある生物医学の研究機関が発表した研究結果は、それに近いものでした。

運動と同じ効果のある錠剤を開発した、というものです。

実験用のマウスにAICARと呼ばれる薬を4週間与えたところ、薬を与えないマウスより、44%も長い距離を走れることがわかったのです。

もちろんマウスには運動はまったくさせていません。

『運動と同じ効果のある錠剤を開発した』というこの発表は多くの研究者から批判を浴びました。

運動は、身体のほぼすべての器官系(循環系、神経系、内分泌系、消化器系、免疫系、腎臓、骨、骨格筋、靭帯など)に影響を与えます。

批判の主な論拠は、これらすべての器官系に変化を引き起こすことができない限り、運動の代わりとはいえないというものです。

さらにいえば、44%長く走れたからといって、それだけで健康になれるわけではなく、運動効果は44%長く走り、カロリーを燃やせることでしか得られません。

また、運動のもつすべてのメリットを模した薬を作り出すことは、ほぼ不可能に近いと考えられています。

それだけ運動は何ものにも代え難く、そしてその効果は素晴らしいのです。

運動を楽しみ、もしそんな薬が出来たとしても、必要ないというぐらいにまでなりたいものですね。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ピックアップ記事

  1. 2017-9-22

    リュックサックによる腰椎への圧縮軽減

    リュックサックはバッグとしての優れた役割もさることながら、腰椎への負荷軽減ギアとしても効果を発揮しま…
  2. 2017-6-15

    腋窩陥凹はハンモックのように

    肩甲上腕関節の関節包靱帯は複雑なコラーゲン線維の交わりあった束から構成され、それぞれ上・中・下の3つ…
  3. 2017-1-18

    筋力トレーニングの負荷設定について

    筋力トレーニングを行うに当たっては、目的を明確にし、その目的に応じたトレーニング条件を設定することが…
  4. 2016-12-1

    骨の連結

    骨の連結には骨と骨が線維性の結合組織によって結合される線維性の連結と、骨と骨が軟骨線維によって結合さ…
  5. 2016-9-4

    反射神経とは

    競技によっても様々ですが、アスリートたちの反応の速い動きをみてると驚かされるばかりです。…

FACEBOOKもチェック!

注目TOPIC

  1. 2016-1-8

    筋の粘弾性性質と収縮活動

    筋緊張(トーン【tone】)、もしくは筋張力(テンション【tension】)は生理学的に2つの因子に…
  2. 2016-12-13

    競技力アップのための「専門スキル」

    いかにダイナミックな競技動作の中で、パワーを上手に発揮するのかという点についてのポイントは「反動をつ…
  3. 2017-1-23

    ムーブメントディレクション

    「ムーブメントディレクション」とは、トレーニング動作の方向を意味します。トレーニングでは種目によ…
  4. 2015-3-11

    転倒とその原因

    転倒というと、ただ「転ぶ」だけでたいしたことではないと思われるでしょうが、不慮の事故による死亡者数に…
  5. 2017-1-10

    神経・筋に対するトレーニングの効果

    トレーニングで用いる負荷の大きさや、動作様式に応じて神経や筋肉にさまざまな適応を引き起こします。…
ページ上部へ戻る