太極拳における立禅鍛錬法

最近よく公園や体育館で太極拳をやっている方を見かけます。

Img214755101

太極拳を練習する理由は様々だと思います。治癒や健康維持を目的とする人もいれば、太極拳は最強の格闘アートで、たとえ深夜路上で突然襲撃されてもすくってくれるものだと信じている人もいます。
またエレガントな動きに魅了されて練習する人もいます。
だからといって練習すれば即そういった効果がでるものではないですし、太極拳のポーズそのものに秘密があるわけではないです。
長時間正しい方法でリラックスを重視し練習を重ねて初めて得られる非身体的エネルギーが奇跡的な効果を心と身体にもたらすのです。

太極拳のエネルギーにはいくつもの種類があり名前も多数あるが極めて重要なエネルギーが一つあります。
それはその他のエネルギーの基礎であって、十分理解しマスターした上で、初めて上級の練習を開始できるといわれるくらい大切なものです。
このエネルギーをポンエネルギーといいます。

energy

【ポンエネルギー】

1、筋力や身体の機械的な動作に結果もたらされるものではない。

2、身体中、地震が起こっているようなもの。

3.動的な力でも抽象的な概念でもない。

4、自動的に自分の身を守る機能がある。

中国武術には、馬歩站樁(スクワット姿勢で腕を前に伸ばす)という足腰を鍛える立禅鍛錬法があります。
しかし太極拳はこういった基本の立禅鍛錬法ではなく一本脚立ちでリラックスして、なおかつ短時間に集約するといった鍛錬法です。
Exif_JPEG_PICTURE

太極拳の立禅鍛錬法には、『フリー、ゼロ、休憩、前脚重心』の型があり、『フリー』は前脚0:後脚10の体重配分で前脚遊脚。
『ゼロ』は前脚0:後脚10で前脚は僅かに地面につける。
『休憩』は、前脚2:後脚8。『前脚重心』は前脚8:後脚2。
この体重配分を理解した上で太極拳の訓練に励むと膨大な『ポンエネルギー』が習得できるとされています。

今日太極拳は、解剖学、力学、テクニック、その他の科学的工学見地から分析されることが多いです。
しかしそれらの分野では解明できないことが多い武術でもあります。
ぜひ、太極拳をただの健康エクササイズと思わず、真剣にやってみてください。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ピックアップ記事

  1. 2017-9-22

    リュックサックによる腰椎への圧縮軽減

    リュックサックはバッグとしての優れた役割もさることながら、腰椎への負荷軽減ギアとしても効果を発揮しま…
  2. 2017-6-15

    腋窩陥凹はハンモックのように

    肩甲上腕関節の関節包靱帯は複雑なコラーゲン線維の交わりあった束から構成され、それぞれ上・中・下の3つ…
  3. 2017-1-18

    筋力トレーニングの負荷設定について

    筋力トレーニングを行うに当たっては、目的を明確にし、その目的に応じたトレーニング条件を設定することが…
  4. 2016-12-1

    骨の連結

    骨の連結には骨と骨が線維性の結合組織によって結合される線維性の連結と、骨と骨が軟骨線維によって結合さ…
  5. 2016-9-4

    反射神経とは

    競技によっても様々ですが、アスリートたちの反応の速い動きをみてると驚かされるばかりです。…

FACEBOOKもチェック!

注目TOPIC

  1. 2016-2-13

    体重の構成要素

    体重の構成要素には、①脂肪量(脂肪組織および他の組織中に含まれるすべての脂肪)②除脂肪量(水…
  2. 2016-3-28

    前頭前野の障害とPhineas Gageの症例

    われわれが日常生活で行うことの多くは、目的を記憶し、企図したように行動する能力に依存しています。…
  3. 2015-10-10

    筋断裂

    筋断裂は創傷をともわない閉鎖性筋損傷で、肉離れとも呼ばれます。スポーツ外…
  4. 2015-3-31

    sensori-motor integration

    我々が自由に身体を移動させ、手でものをつかみ、投げ、道具を作り、操ることができるのは、全身に備わって…
  5. 2015-11-21

    サラブレッドからみる栄養とトレーニング

    1998年、セイウンスカイという競走馬が4歳馬(現3歳)の頂点を決めるレースであるG1レースの皐月賞…
ページ上部へ戻る