動体学から観る東洋的トレーニング

みなさんは、カラダを鍛えるというとどのようなトレーニングを想像しますか?

体育の授業だったり、筋肉トレーニング、ランニングなどを想像するかと思います。
これはいわゆる西洋的なトレーニング観に基づくもので、身体の部分を強化するというトレーニング法です。
しかし日本には動体学に基づく東洋的なトレーニング法があります。
『チセット』という和風筋膜トレーニグで、全身の連動性を高めることを重視したトレーニング法です。
これは、身体操作においての骨の動かし方の要領を得るということであって、身体運動を支える根本であることには間違いないですが、これを動かすのは、やはり筋肉です。
だから西洋的トレーニング観では、この動力源たる筋肉を肥大させ、強化することによって、より強いパワーを得ることを重要視してきたと思います。
しかし、一方で筋肉は、骨を動かす上で関節の動きを邪魔してしまう存在でもあります。
そのため、東洋的トレーニングでは、『脱力』などを提唱して、できるだけ筋肉が骨の動きを邪魔しない工夫がされてきています。
実際、筋肉に重点を置かずに骨とそのジョイント部である関節を基点とし身体運動を再構築すると明らかに動きの速度が上がることが実感できます。
【チセット】 連動ストレッチ、筋(スジ)トレーニング、芯呼吸で構成されているトレーニングです。

考え方としては、固まった身体部位を強制的に伸ばすのではなく、あくまで全身の連動性の中で滞りを解消して動きをスムーズにしていく。
それは身体内部の筋スジを強化することでもあり、身体内のつながりを向上して、身体を一つにして動かすことができるという考えのトレーニングです。
昔からいう「スジが良い」とは身体の連動性が良いということでもあります。

筋(スジ)トレーニングでは、『収縮拡張反射理論』という理論を提唱していて、身体には収縮しやすい面と拡張しやすい面が概ね表裏の関係で身体覆って、収縮面には引き締めの刺激、拡張面には開きの刺激を与えることで身体がまとまってき、特に収縮部中心にトレーニングすることで全身が連動し、より全身力も高まってくるので、筋(スジ)トレーニングにおいては、収縮面に焦点をあて身体を動かすことが原則としています。
その上で大切なのが、芯呼吸になります。
通常呼吸は吐くことに重点を置きますがチエットでは、吸うことを中心に行います。
吐くと腰の力が抜け、吸うと腰に力が集まるとされているためです。

そして連動ストレッチでは、伸ばしたい箇所に連動するのはどこか?という観点で考え、連動した箇所を弛める事で動きをスムーズにしたり、強化していく。
例えば立ち上がりや座る際の跪座(ひざまずき姿勢)は、足裏を伸ばすこととなり、足裏は内臓と関係が強く、足裏を十分に伸ばすことを意識すると、内臓を鍛えることにもなります。

このようにチセットの概念を通じてそのほとんどが、西洋的トレーニング法とは、逆のことを行うものが多く、いかに東洋の動体学に基づくトレーニングが対極に位置しているかというのがわかります。

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