PRI(Postural Restoration Institute)を考える

全身のバランスを考えるときに体は左右対称にすべきなのか。
それとも、もともとが左右対称でないので、その対称性は考えなくても良いのかどうか。

まず体の位置関係と横隔膜について考えてみるとする。
ヒトの体はよく見ると左右対称にはできていない。
身体の解剖を考えた時、心臓は中心よりやや左側にあり、胃も左側に位置する。
肝臓は右に位置しており、それにともない横隔膜の形状も微妙に変化する。
その横隔膜の末端は脊柱や一部大腰筋と連結するため、直接的ではないものの間接的に身体機能にも影響を及ぼす。

 

今度はこの横隔膜にフォーカスして考えてみる。
横隔膜は呼気の時に上に上がり、空気を外に送り出す。
吸気の時は横隔膜は下に下がり、空気が吸い込まれる。

この横隔膜がうまく機能している場合は、丸みを帯びたドーム型となりやすく、機能が低下すると円弧が失われフラット型となりやすい。
そしてフラット型の横隔膜になると、肋骨が前方突出し腰部では前傾が強くなる。

世間一般的には右側の横隔膜のほうが左に比べ働きやすいと言われている。
右側は横隔膜の下方に肝臓があるため、肝臓が支持する分、上方に動きやすいためである。
また右肺は3葉あり機能も高いことも一つの要因である。
左側は横隔膜の上方に心臓が乗った状態で、横隔膜の下方にある胃も支持性は弱いとされる。
このために、右側の大腰筋の方が左より使いやすいため、右重心が多く右利きであるヒトが多い。

ロン・ハラスカ氏の提唱するPRI(Postural Restoration Institute)では、通常の左右差は数ミリ単位のもので目視できるものは、過剰な左右差として修正する必要があると言っている。
例えば、横隔膜の機能が低下すると、肋骨の前方突出、腰部の前傾傾向、そして股関節の緩みが出てくる。
左の横隔膜の機能低下であれば、左ハムストリングスの促通、右大殿筋の促通をおこない骨盤の変位を修正する、あるいは腹横筋の促通と横隔膜と骨盤の連携とともに、右の過剰な呼吸を抑制するなどが代表的なアプローチとなる。

このように体は様々な部分が繋がり合っている。
一つの症状は多くの問題が複雑に交わりあって発症するのであり、その原因の修正こそ、根本的な改善に繋がるのではないか。

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