コアスタビリティーと横隔膜

横隔膜といえば「呼吸」に関係があることはわかると思います。

呼吸とは単純に、「横隔膜が収縮するから肺が膨らみ空気が入り、リラックスして元の形に戻ると肺から空気は押し出される」と思われています。

しかしながら横隔膜の機能を深く捉えてみるとそれだけじゃないかもしれません。

横隔膜は胸部と腹部を隔てる壁として独立して動く「筋肉」と考えるよりも、実際は肺と内臓と「組織」としてくっついて、連動して動き、まるで綱引きの綱のように胸部と腹部にそれぞれ引っ張られるものと考えたほうが感覚として正しいのかもしれません。

もちろん横隔膜の「筋肉」としての働きも非常に重要な役割を果たしますが、胸部・腹部からの影響もかなり受け、上手く行けばそれらに助けられ、下手をするとそちらの影響から最大限にチカラを発揮できないことだって十分考えられます。

肺の収縮では、肺の組織そのものの弾性が実は空気を吐き出すメインの原動力になっています。

そしてその肺そのものの弾性力がなかなかに強いため、横隔膜はむしろ逆に遠心性収縮を起こして、その収縮の勢いを弱めさせる働きも担っているのです。
これが強く息を吐き出す時においては非常に大切な役割になります。

呼吸は横隔膜だけが頑張って働いてるわけではないということ。
もっと言うと、筋肉だけが呼吸を起こす原動力になっているわけではないのです。

実は他組織の弾性力、いわゆる元に戻ろうとする力や、骨格そのものが動くことによって変形する空間等の全部あわせての「呼吸」と考えるのがいいのかもしれません。

この「呼吸運動」。

細かく追求すると物凄い複雑でちょっと困っておりますが、コアのスタビリティーを考える上では大変重要なのはわかります!

普段のトレーニングにおいても意識するだけで、かなり違った感覚で身体を操作できるようになると思います!

余裕があるときはぜひ自分の「呼吸」を再考してみましょう!

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