グレーディングされた出力とパフォーマンスの客観的計測値

人は未知である新しい運動を身に付けようとするとき、一般的に良いとされる動作を模倣しながら、その試行の中でうまくいったときの感じを手がかりに修正を繰り返して習熟していく。

我々は運動場面において、そうした運動経験を基にした「運動感覚」によって必要な出力をコントロ-ルしていると考えられる。

目的に合わせ身体諸機能を調節する随意的能力はスキルと呼ばれる。

ある研究者は、スキルを「状況把握能力,正確さ,素早さ,持続性」の4要素に大別している。

さらに、運動制御の出力面に関する能力は「正確さ」であり、そこには「体肢のポジショニング能力,タイミング能力,出力のリプロダクション能力,出力のグレーディング能力」が含まれるとしている。

これらの中で目的に合わせ発揮する力を調節する能力はグレーディング能力であり、出力のコントロールには重要な役割を果たすものと考えられる。

身体の機能的、形態的な変化を目的とするトレ-ニングの場面では、トレ-ニング負荷の強度的側面の管理が主観的な努力度合に基づいて行われることがある。

陸上競技のスプリント系種目では、トレ-ニングにおいて個人の主観的努力度により強度が決定される場面がしばしば存在する。
こうしたことから主観的な感覚によってグレーディングされた出力とパフォーマンスの客観的計測値との対応関係を知ることは、先に挙げた運動の習熟に対する動きの調節を考え合わせても、動きを自身の感覚により管理する上で重要な指標になると言えるだろう。

とある研究によれば,主観的努力度と客観的出力の間には直線的対応関係があることが報告されている。
また,走運動についての研究においても主観的努力度と客観的出力の間には直線的対応関係が認められたと報告している。

動きを自身で管理する際の感覚的要素が実際にどう出力に関係するかというのは運動制御において非常に重要なポイントになる。

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