ストレッチングによる柔軟性向上の短期および長期効果

ストレッチングの効果に関して、システマティックレビューがいくつも行われており、短期的あるいは長期的な柔軟性向上効果が報告されています。

ストレッチング直後の柔軟性向上は、一定の伸張を加えていると組織の抵抗が減少することによって起こると考えられています。

しかし、この変化は一時的なもので時間が経つとストレッチング前に戻ります。

また、どのくらいストレッチできるかは、組織が伸張された際の痛みの感覚や伸張に対する耐性によって規定されることから、ストレッチング後の可動域改善はこれらの感覚の変化から起きているとする意見があります。

その報告によれば8週間以内のストレッチングで改善する柔軟性は感覚の変化によって起こるものであり、短期的には組織の長さが増加して起きるものではないとしています。

短縮した組織を伸張するためにはストレッチングにより微細な損傷を引き起こし、コラーゲン線維などのリモデリングを促進させることが考えられます。

一方、リモデリングが完成されるまでには180日以上かかるとされており実際には長期的な介入が必要と思われます。

臨床的には短縮した組織の身長は穏やかな持続伸張で行い、塑性域に達したら関節包では6秒程度、筋では15秒から30秒、場合によっては1分以上伸張しながら保持して休みをいれて数回繰り返すと効果的とされています。

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