高齢者における筋力エクササイズ

加齢により筋骨格量は減少し、筋力低下を引き起こすことはよく知られています。

加齢による筋力低下は上肢よりも下肢のほうが早く、下肢の筋力低下は身体活動の制限に直結し、生活の質の低下を招きます。

また加齢や廃用による筋力低下が転倒や転倒による骨折のリスクを増大させます。

したがって、高齢者が自立した生活を維持する手段として、高齢者に対する筋力エクササイズの実施が近年重要視されています。

高齢者を対象とした筋力エクササイズの効果として、高齢者においても適切なレジスタンストレーニングの実施により若年層と同様に筋力は増加して筋肥大が起こることは証明されています。

高齢者に対する筋力エクササイズの具体例としては最大筋力の70~80%で反復回数は8~12回程度が妥当であるとしています。

筋力エクササイズの効果を得るためには、負荷強度は最も重要な要素の1つとなりますが、高齢者を対象とした場合に筋力エクササイズ実施の安全性を考慮すれば、その導入には低強度から高強度への斬新的な移行などの配慮が必要になります。

また低強度でも筋力エクササイズの効果は認められています。

セット数は高齢者の場合1セットでも効果的で、週に2~3回の頻度が推奨されているが、筋力エクササイズによる筋線維の損傷は若年者に比べて高齢者では大きいと指摘されていることには注意が必要です。

高齢者は普段の生活様式の違いにより、その体力水準や健康状態などに個人差が大きいので、このような筋力エクササイズのプログラムを作成する際には個人に応じたきめ細やかな配慮が必要になります。

そして介護保険利用者に代表される虚弱な高齢者にとっては、自重による負荷であれども、相対的に高強度の負荷になりうることも理解することが必要です。

関連記事

コメントは利用できません。

ピックアップ記事

  1. 2017-9-22

    リュックサックによる腰椎への圧縮軽減

    リュックサックはバッグとしての優れた役割もさることながら、腰椎への負荷軽減ギアとしても効果を発揮しま…
  2. 2017-9-5

    筋線維の形態的特徴について

    筋の形態は、張力発生能力、可動域、短縮速度に著しい影響を及ぼします。機能に影響を及ぼす形態的…
  3. 2017-8-11

    アフォーダンスとカノニカルニューロン

    随意的な動作は、中枢で生じた運動の意図が顕在化したものであり、「目的」はそれを達成するための筋道を決…
  4. 2017-7-19

    筋の拮抗的・共同的中和

    運動を円滑に遂行するために骨格筋はそれぞれ主動作筋、共同筋、拮抗筋と役割を持ちます。一般には…
  5. 2017-7-18

    クレンチング(食いしばり)と運動の関係

    クレンチングとは、無意識的に上下の歯を強く噛みしめる動作をいいます。習慣化されたものはブラキ…

FACEBOOKもチェック!

注目TOPIC

  1. 2015-5-27

    情動の記憶は何処へ

    ヒトは物事を学習し行動を変容させる生き物ですが、それには記憶というものが大きく関わっています。…
  2. 2015-5-22

    アルコール代謝によるRedox Shiftとは

    ダイエットはしているけどお酒は飲む。ダイエットをしている方のなかにもこういった方がいるのでは…
  3. 2017-9-16

    腱や靭帯と年齢について

    骨格の成熟度と加齢は、靭帯と腱のバイオメカニクス的性質に大きく影響します。一般に、引張強度、…
  4. 2014-10-7

    体脂肪量の調節「レプチン」

    レプチンというホルモンが、体脂肪量の調節において重要な役割を演じています。本来、レプチンは、食欲…
  5. 2017-2-6

    体を正しく動かすために

    トレーニングやスポーツ競技を行ううえで炎症が起こることがあります。野球でヒジや肩などの障害は…
ページ上部へ戻る