老化を左右するテロメア

昔から、老化の予防には運動といいます。

実際に、習慣的に運動している方は、日常生活動作や身体機能の改善などでその効果を体感しているかと思います。

そういった意味では、運動は老化の予防に対して大きな役割を果たしていますが、もっと根本的な、細胞レベルでの老化に対しての効果については、あまり解明されていませんでした。

細胞の核にある染色体の末端に「テロメア」という構造物があります。

テロメアは、細胞分裂のたびに短くなり、細胞は50~60回しか分裂できません。

テロメアが短くなりすぎると、染色体を保護できなくなり、細胞が死ぬと考えられています。

テロメアは歳を重ねるにつれて短くなり、このテロメアの短縮による細胞の老化は、あらゆる老化現象と関係があるとされています。

ある研究で、被験者を、運動習慣のある若者・ない若者、運動習慣のある高齢者・ない高齢者の4つのグループに分けてテロメアの長さを比較したところ、若者のグループではほとんど差がなく、運動習慣のある高齢者グループで若者より少し短く、ない高齢者グループでは極端に短いという結果が出ました。

さらに高齢者のグループを対象に有酸素運動能力とテロメアを調査したところ、有酸素運動能力が高い人ほどテロメアが長いことが分かりました。

このことから、有酸素運動によってDNAを実年齢よりも数十年も若く保てると考えることが出来ます。

また、780人の心疾患のある被験者を調査したところ、テロメアの長さが短い患者ほど4年以内の死亡率が高いことも分かっています。

他の研究でも同様の結果で出ていたり、運動によってテロメアの短縮を防ぐ酵素の活性化が認められたりしています。

やはり、老化の予防には運動は間違いないものなのでしょう。

また、テロメアを伸長させるテロメラーゼという酵素が発見された当初、この酵素によって長寿が可能になるのではと考えられました。

ところが動物実験で体内のテロメラーゼの濃度を上げるとがん発生の可能性が高くなることが判明しました。

現在は、がんのテロメラーゼ活性を抑制したり、テロメラーゼを発現する細胞を攻撃したりするがん治療薬などの研究が進められています。

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