関節にはたらく3種類のテコの原理

筋肉が発揮する力を、実際の関節の動きの中で理解することは、より効率よく力の伝わるスポーツ動作のフォームを工夫したり、効果的でケガのしにくいトレーニング動作を考えたりするための基礎として非常に重要になります。

筋力が力を発揮して骨を引っ張ることで関節を回転させる方法には、全部で3種類の方法があります。

それらはすべてテコの原理ではたらきます。

第1種のテコは、関節の中心の一方に筋力の作用する点があり、反対側に抵抗力の作用する点がある場合です。

第1種のテコで作られている関節では、関節の中心から筋力の作用する点までのアームの長さのほうが、抵抗力の作用する点までのアームの長さよりも短ければ短いほど、筋力は抵抗力よりもずっと大きな力を出さなくてはなりません。

第2種のテコは、関節の中心の片側に筋力の作用する点と抵抗力の作用する点の両方があり、筋力の作用する点のほうが抵抗力の作用する点よりも関節中心から遠いほうにあります。

常に筋力の作用するアームの長さのほうが抵抗力のアームの長さよりも長くなりますから、抵抗力よりも小さい筋力で抵抗力に対抗することができます。

第3種も関節の中心の片一方に筋力の作用する点と抵抗力の作用する両方があるということでは同じですが、第2種のテコとは逆に、筋肉の作用する点の方が抵抗力の作用する点よりも関節の中心に近いところにあるものです。

その結果、常に筋力の作用するアームの長さよりも短くなりますから、抵抗力よりも大きな筋力を発揮しなければなりません。

身体のほとんどの関節は第3種のテコになっています。

そのため常に筋力は抵抗力よりも大きな力を発揮することが求められます。

そういう点では筋力では常に損をしていることになります。

しかし筋肉が少し縮んだだけで抵抗力の作用する点はとても大きく動かす事ができます。

つまり、少しの時間で大きく動かす事が出来るということからスピードでは得していることがわかります。

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