回転スピードをコントロールして運動の効果を高める

慣性モーメントが大きいを回しにくく、慣性モーメントが小さいと回しやすいということはフィギュアスケートのスピンを見てもわかります。

慣性モーメントが大きいと回転スピードは小さくなり、慣性モーメントが小さいと回転スピードは速くなります。

これは、角運動量保存の法則と呼ばれ、回転運動において慣性モーメントと回転スピードをかけた値は常に一定であるという事を意味します。

サッカーでジャンプして空中で上半身を大きくそして強くひねってヘディングしようとするときや、バレーボールで強いスパイクを打つために腕や肩の回転スピードを大きくしようとするとき、その回転の反作用で下半身が逆に回転して不安定となり強いボールを打つことができなくなります。

そのとき、両脚を開くと身体の縦軸まわりの慣性モーメントが大きくなり、下半身が回転しにくくなります。

角運動量保存の法則に従って、回転半径を大きくすることで、逆に回転スピードを小さくしているのです。

ボールのキック、テニスのサーブ、バトミントンのスマッシュ、どれもインパクトの瞬間は肘やひざが伸びています。

しかしその直前までは肘やひざを曲げて回転半径を短くして回転スピードを高めています。

それはインパクトの瞬間に回転半径を長くすることで、先端の軌道を安定させ、先端部のより大きな速度を得るための準備なのです。

そして回転スピードが十分高まったところで肘やひざを伸ばしてインパクトをしています。

このように、回転する部分を回転軸に近づけたり、遠ざけたりして慣性モーメントを変化させ、それによって回転スピードをコントロールするというテクニックは、さまざまな場面で使われています。

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