回転スピードをコントロールして運動の効果を高める

慣性モーメントが大きいを回しにくく、慣性モーメントが小さいと回しやすいということはフィギュアスケートのスピンを見てもわかります。

慣性モーメントが大きいと回転スピードは小さくなり、慣性モーメントが小さいと回転スピードは速くなります。

これは、角運動量保存の法則と呼ばれ、回転運動において慣性モーメントと回転スピードをかけた値は常に一定であるという事を意味します。

サッカーでジャンプして空中で上半身を大きくそして強くひねってヘディングしようとするときや、バレーボールで強いスパイクを打つために腕や肩の回転スピードを大きくしようとするとき、その回転の反作用で下半身が逆に回転して不安定となり強いボールを打つことができなくなります。

そのとき、両脚を開くと身体の縦軸まわりの慣性モーメントが大きくなり、下半身が回転しにくくなります。

角運動量保存の法則に従って、回転半径を大きくすることで、逆に回転スピードを小さくしているのです。

ボールのキック、テニスのサーブ、バトミントンのスマッシュ、どれもインパクトの瞬間は肘やひざが伸びています。

しかしその直前までは肘やひざを曲げて回転半径を短くして回転スピードを高めています。

それはインパクトの瞬間に回転半径を長くすることで、先端の軌道を安定させ、先端部のより大きな速度を得るための準備なのです。

そして回転スピードが十分高まったところで肘やひざを伸ばしてインパクトをしています。

このように、回転する部分を回転軸に近づけたり、遠ざけたりして慣性モーメントを変化させ、それによって回転スピードをコントロールするというテクニックは、さまざまな場面で使われています。

関連記事

コメントは利用できません。

ピックアップ記事

  1. 2017-9-22

    リュックサックによる腰椎への圧縮軽減

    リュックサックはバッグとしての優れた役割もさることながら、腰椎への負荷軽減ギアとしても効果を発揮しま…
  2. 2017-6-15

    腋窩陥凹はハンモックのように

    肩甲上腕関節の関節包靱帯は複雑なコラーゲン線維の交わりあった束から構成され、それぞれ上・中・下の3つ…
  3. 2017-5-16

    加齢に伴う身体能力の変化

    加齢に伴い運動機能は減退します。特に筋力と有酸素能力の低下はスポーツや運動活動への参加を困難…
  4. 2017-1-18

    筋力トレーニングの負荷設定について

    筋力トレーニングを行うに当たっては、目的を明確にし、その目的に応じたトレーニング条件を設定することが…
  5. 2016-12-1

    骨の連結

    骨の連結には骨と骨が線維性の結合組織によって結合される線維性の連結と、骨と骨が軟骨線維によって結合さ…

FACEBOOKもチェック!

注目TOPIC

  1. 2017-1-5

    正しい姿勢で動く

    正しい姿勢が良いというのはよく言われます。人が地球上で活動するにあたって重力を切り離して考え…
  2. 2015-3-30

    意外と身近な「ペットボトル症候群」とは?

    季節的に暖かくなるにつれて水分摂取の量が増えていきますが、ジュースをよく飲む方にとっては注意すべきこ…
  3. 2017-4-10

    筋肥大を促すオールアウト

    筋肉肥大のためには、筋肉運動を限界と思われるまで繰り返すのが基本です。最終的にこれ以上動かす…
  4. 2014-10-17

    エネルギー供給機構を考える。

    筋収縮には ATP が必要であるが、筋内のATP の量はわずかであるため、運動を継続す るた…
  5. 2014-12-15

    運動連鎖とは

    トレーニングやリハビリなどの運動療法の世界では、よく運動連鎖という概念が用いられます。運…
ページ上部へ戻る