神経神話は本当か?

脳についてしばしば「ヒトは普段、脳の全体の10%しか使っていない」ということを聞くことがあります。

これは「神経神話」と呼ばれる俗説のひとつで、科学的根拠はありません。

しかし、脳が行う活動のほとんどはヒトの意識にはのぼらないところで潜在的に行われているといいます。

普段認識できる部分では「意思決定」においてそれが強く影響しているといいます。

たとえば、お店の中で、ある銘柄の缶コーヒーを選ぶという普段の何気ない行動でもその潜在的な活動の影響があります。

その影響を与えるものの一つがCMです。

CMが効果を発揮するとき、脳の被殻という部位の一部が活動します。

CMは2種類の条件付けが組み合わさることで効果を発揮するといます。

条件付けとは、無関係な二つ以上の物事を関連付けて行動・反応することです。

たとえば、CMを繰り返し観た結果、缶コーヒーのロゴマークを見ただけで、そのコーヒーを連想し、飲みたくなります。

これは「古典的条件付け」と呼ばれる効果です。

一方、お店で缶コーヒーを選ぼうとする状況は、報酬を求めて特定の行動を繰り返す「道具的条件付け」の効果を受けていると言えます。

この二つの条件付けは基本的に別の現象ですが、お店で特定の缶コーヒーのロゴマークを見ると、この二つが組み合わさってはたらき、その缶コーヒーを買ってしまうというわけです。

このときに、被殻の一部が活動しています。

これと似たようなものにサブリミナル効果なるものがありますが、裏付けはあまりないようで、また、認識できるレベルのものはスプラリミナル知覚と呼ばれます。

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