性格と自己認知

性格はその人そのものを言い表す言葉ですが、よく考えてみると、性格とは、人が自分や他人をどのようにみているかというプロセスに過ぎません。

日常生活では、自分は内向的であるとか、あの人は明るいであるとか、ごくありふれた認知として経験しています。

そこでは性格は固定されたものではなく、どうみているかという動的なプロセスにすぎないように思われます。

このような認知論的な立場からすれば、まず自分をどのようにみているかが軸になって認知が成り立っているようです。

この自己認知が歪んていると、本人がうまく環境に適応できないばかりか、他人に対しても間違った認知をしてしまいます。

この自己認知ができあがるメカニズムについて、3つの有力な説があります。

1つは、鏡映的自己といい、個人がもつ自己像は自分の容姿や性格が他人にどう映っているかを想像したものであり、それをもとにして自分の性格の認知ができあがるというものです。

これは生後間もないころに自分を客観視するようになることから徐々にできあがっていくと言われています。

例えば、鏡に映った自分が自分であることが分かるまでにはさまざまな反応が見られます。

この段階は、まだ身体についての認知ですが、青年期に入れば内省的になり、自分の性格についても他人の目を介して客観視するようになります。

2つ目は、役割認知といい、自分に与えられた役割に合った行動を学びとり、他人からも認められる、あるべき自分ができあがるというものです。

これは理想的自己ですが、他方では現実自己とのズレも気になるようになります。

3つ目は、社会的比較過程といい、人は自分と他人を比較しており、その結果としてそれぞれに自己像を作り上げていくものであるというものです。

この比較過程を通してできあがる自尊心も、自分の性格の認知に影響します。

自尊心の高くなると、自己評定と他者評定の差が大きくなり、自尊心が高すぎるためん、現実の自己に満足できず、自分の性格を不当に低くみてしまいます。

いずれの説に従っても、自己認知は他者との関わりを通して成立することが分かります。

そしてそこでは、自己認知とともに他者認知も同時に成立します。

正確についても、その人はその人なりの見方に基づいて、他者の性格を認知します。

しかしこの見方はその人の過去経験に基づくものであるため、誤った主観的な認知をもたらすことがあります。

関連記事

コメントは利用できません。

ピックアップ記事

  1. 2017-9-22

    リュックサックによる腰椎への圧縮軽減

    リュックサックはバッグとしての優れた役割もさることながら、腰椎への負荷軽減ギアとしても効果を発揮しま…
  2. 2017-6-15

    腋窩陥凹はハンモックのように

    肩甲上腕関節の関節包靱帯は複雑なコラーゲン線維の交わりあった束から構成され、それぞれ上・中・下の3つ…
  3. 2017-1-18

    筋力トレーニングの負荷設定について

    筋力トレーニングを行うに当たっては、目的を明確にし、その目的に応じたトレーニング条件を設定することが…
  4. 2016-12-1

    骨の連結

    骨の連結には骨と骨が線維性の結合組織によって結合される線維性の連結と、骨と骨が軟骨線維によって結合さ…
  5. 2016-9-6

    トレーニング効果の種類

    トレーニング刺激に対して身体を適応させていく過程がトレーニングであり、適応によって得られた変化がトレ…

FACEBOOKもチェック!

注目TOPIC

  1. 2016-3-28

    前頭前野の障害とPhineas Gageの症例

    われわれが日常生活で行うことの多くは、目的を記憶し、企図したように行動する能力に依存しています。…
  2. 2015-6-3

    生体の階層性について

    どんな生物でも、簡単か複雑かの違いはあるにしろ、それぞれの機能に応じた構造が対応しています。…
  3. 2015-12-23

    筋の時間的加重とは

    筋の活動は収縮と弛緩によって完結されます。それは活動電位による筋細胞の興奮によってもたらされ…
  4. 2015-12-29

    関節包内運動と固定の位置・ゆるみの位置

    関節には、その角度によって固定の位置(close−packed position)とゆるみの位置(o…
  5. 2016-5-23

    距骨下関節の適合と不適合

    距骨下関節には関節の適合肢位が1つだけ存在します。それは中間位で、このとき足部は距骨に対し真…
ページ上部へ戻る