『ムーブメントプレパレーション』

『ムーブメントプレパレーション=動きのための準備』

今までにスポーツやトレーニングをする際に、ストレッチはしたことがあると思います。
ケガの予防の為には柔軟性が必要でストレッチに入念に取り組んでいる方も多いと思います。

従来行われてきた伸ばした所で止めるストレッチ【スタティックストレッチ】はご存じの方も多いと思います。

今回ご紹介する『ムーブメントプレパレーション』は、運動前のウォーミングアップに取り入れることで効果を発揮します。

『ムーブメントプレパレーション』は、この言葉が意味するように、身体に動くため準備をさせるために行います。

心拍数を上げ、筋肉への血流を増やし、筋肉の体温を上げます。
さらに、神経系の機能も目覚めさせます。

その結果、可動性・柔軟性・安定性の向上に繋がります。

ムーブメントプレパレーションは、関節の可動域と筋の柔軟性を長期間にわたって高めていくことが目的です。
筋肉を伸ばす(アクティブ・エロンゲーション)から始め、この新しい可動域まで筋を伸ばした後に、筋を収縮させます。
スタティックストレッチのように筋を伸ばして終わりではなく、伸ばした位置で実際に筋肉を使っていきます。
こうすることで、関節を保持している関節回りの小さな筋を安定させることができます。
これにより、パフォーマンスを向上させ、またケガや障害の可能性を減らすことができます。
また、小さな筋肉を活動させることによって、いつでも身体を動かせる態勢がとれ、スイッチの入った状態を作ることができます。

スイッチが完全に入っていない状態で、身体を動かした場合身体の他の部分がそれを補おうとします。
例えば、中臀筋。
中臀筋は臀筋群の中の小さな筋肉の一つですが、この筋肉にスイッチが入っていないと脚の左右の安定性の低下に繋がり、大腿筋膜張筋などの筋肉で補います。
その結果、アライメントが崩れ、障害や痛みに繋がります。

ムーブメントプレパレーションは筋を収縮させることで、筋肉をより活動しやすい状態を作ります。

筋肉は一つの筋肉が収縮すると拮抗する筋肉は弛緩する相反抑制が起こります。
ムーブメントプレパレーションはこの相反抑制を利用して、それぞれの筋肉に活動しやすい状態を作っていきます。

また、ムーブメントプレパレーションは小さな筋群のスイッチをいれることで関節や筋肉、腱にあるバランスを保つための圧力(固有受容)を感じ取る【固有受容器』の感度を高めます。
つまり、命令系(運動神経)とフィードバック機構(感覚神経)の感度を高めてくれ、身体に予期せぬ不規則な動作の準備にもなります。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ピックアップ記事

  1. 2017-9-22

    リュックサックによる腰椎への圧縮軽減

    リュックサックはバッグとしての優れた役割もさることながら、腰椎への負荷軽減ギアとしても効果を発揮しま…
  2. 2017-9-5

    筋線維の形態的特徴について

    筋の形態は、張力発生能力、可動域、短縮速度に著しい影響を及ぼします。機能に影響を及ぼす形態的…
  3. 2017-8-11

    アフォーダンスとカノニカルニューロン

    随意的な動作は、中枢で生じた運動の意図が顕在化したものであり、「目的」はそれを達成するための筋道を決…
  4. 2017-7-19

    筋の拮抗的・共同的中和

    運動を円滑に遂行するために骨格筋はそれぞれ主動作筋、共同筋、拮抗筋と役割を持ちます。一般には…
  5. 2017-7-18

    クレンチング(食いしばり)と運動の関係

    クレンチングとは、無意識的に上下の歯を強く噛みしめる動作をいいます。習慣化されたものはブラキ…

FACEBOOKもチェック!

注目TOPIC

  1. 2014-12-6

    脳の機能局在:前頭葉を考える

    前頭葉は大きく分けると5つの大きな区分で考えられる。それぞれを~野と称して、その働きをまとまてみ…
  2. 2015-9-30

    神経の可塑性について考える

    神経の可塑性とは、新しい経験を経て、神経細胞の活動が変化し、新たな神経細胞間のネットワークが形成され…
  3. 2015-11-25

    睡眠不足と肥満

    睡眠が不足していると、理性や判断力を司っている前頭葉の活動が低下し、食べる意欲を司る脳領域の活動が高…
  4. 2015-2-15

    冬のほうが代謝が高いのはなぜ?

    ほとんど多くの人にとって寒いより暖かいほうが良いでしょうが、代謝という点で考えると実は寒いほうが良か…
  5. 2015-5-19

    血液脳関門と脳の栄養

    脳の血管には「血液脳関門」といわれる構造があり、血中のタンパク質やその他の物質が脳の中に侵入できない…
ページ上部へ戻る