運動制御と開ループ機構・閉ループ機構

実際の運動の発現には、全身にある骨格筋をすべて制御しなくてはならない。
運動の目的に必要な複数の筋を必要なタイミングで、必要な出力で活動するよう指令されることになるが、この一連の運動指令セットを運動プログラムという。
運動プログラムは、繰り返された運動経験から運動にかかわる中枢神経系において機能的に構成されていく。

運動が発現された結果、その筋出力のタイミングや結果として起こる関節位置などが体性感覚として運動制御の中枢機構にフィードバックされてくる。

これにより、自分が意図した運動が完遂されているかどうかを確認する。

この運動フィードバック機構で重要な機能を担っているとされるのが小脳を経由する回路とされている。

意識された運動と発現された運動の間のズレは、この経路を経由して大脳皮質に到達し、運動が再制御される。

このように中枢神経系による運動発現の結果を体性感覚などからフィードバックを受けることを閉ループ制御という。

一方で、短時間で完遂するような運動においてはこのフィードバック機構が機能しない場合もありこのような調整機構を開ループ制御という。

随意運動は、自分の意識による運動発現とそれに伴う運動制御において運動の調節機構を活用し完遂されていく。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ピックアップ記事

  1. 2017-9-22

    リュックサックによる腰椎への圧縮軽減

    リュックサックはバッグとしての優れた役割もさることながら、腰椎への負荷軽減ギアとしても効果を発揮しま…
  2. 2017-9-5

    筋線維の形態的特徴について

    筋の形態は、張力発生能力、可動域、短縮速度に著しい影響を及ぼします。機能に影響を及ぼす形態的…
  3. 2017-8-11

    アフォーダンスとカノニカルニューロン

    随意的な動作は、中枢で生じた運動の意図が顕在化したものであり、「目的」はそれを達成するための筋道を決…
  4. 2017-7-19

    筋の拮抗的・共同的中和

    運動を円滑に遂行するために骨格筋はそれぞれ主動作筋、共同筋、拮抗筋と役割を持ちます。一般には…
  5. 2017-7-6

    鼠径部痛と内転筋損傷と恥骨炎

    鼠径部痛はスポーツ選手がよく訴える痛みの1つです。これらの痛みを訴える選手は、内転筋群の過緊…

FACEBOOKもチェック!

注目TOPIC

  1. 2015-11-11

    股関節にある二関節筋に対するストレッチの有効性

    臨床家は、筋骨格系の治療と予防に筋のストレッチングをよく用います。股関節の二関節筋、とくにハ…
  2. 2015-5-19

    血液脳関門と脳の栄養

    脳の血管には「血液脳関門」といわれる構造があり、血中のタンパク質やその他の物質が脳の中に侵入できない…
  3. 2015-7-1

    年齢によって起こる知能形態の変化

    知能は「思考能力の個人差」を表現しているものになります。では思考はなにかと言うと、知覚された…
  4. 2017-2-8

    筋力トレーニングと生活サイクル

    自分の理想の体を手に入れるため、パフォーマンスを上げるために筋力トレーニングを行いますが、1日のどの…
  5. 2017-3-1

    大きな力を発揮するために

    筋肉が力を発揮する源は、筋原線維にあるミオシンのクロスブリッジがアクチンを引き込むことです。…
ページ上部へ戻る