関節運動とスポーツ動作

スポーツ運動のほとんどは、いくつかの関節運動が組み合わさったものです。

投球動作における腕の動きをひとつをとっても、それは非常に複雑です。

例えば、肩と肘に限定しても、肘を高く上げる時は肩が外転および外旋し、肘は屈曲する動きになります。

けれども、スポーツでは複雑な動作の組み合わせを、短時間のうちに、滑らかに、かつ力強く行わなくてはなりません。

そこで、そのような複雑な動作をまとめるために、スポーツの現場では軸などの用語が用いられています。

例えば、野球のバットスウィングにおける中心軸やランニングにおける二軸走法、またゴルフスウィングにおける回転運動などは、いずれも複雑な動作の組み合わせをまとめるための感覚的な表現と考えられます。

ただし外見上、同じ動作を行う場合でも、それぞれの関節運動には、様々な組み合わせ方が可能になります。

ひとつの関節運動が不十分でも他の動きで代償できることもあり、それがいわゆる選手の個性となっていることも多いです。

特定の関節運動に過度な負担がかかると、スポーツ障害を引き起こしやすくなります。

障害を起こした場合は、関節運動に分解して考える必要性があります。

中心軸・二軸・回転などをイメージすること自体は有効です。

ただしこれらは、あくまでも感覚的な表現であることを理解しなければいけません。

スポーツ外傷を起こすことが十分予想される場合以外は、他者が選手のフォームに、安易に修正を加えたり、自分のイメージを押し付けたりすることは注意しなければいけません。

関連記事

コメントは利用できません。

ピックアップ記事

  1. 2017-9-22

    リュックサックによる腰椎への圧縮軽減

    リュックサックはバッグとしての優れた役割もさることながら、腰椎への負荷軽減ギアとしても効果を発揮しま…
  2. 2017-6-15

    腋窩陥凹はハンモックのように

    肩甲上腕関節の関節包靱帯は複雑なコラーゲン線維の交わりあった束から構成され、それぞれ上・中・下の3つ…
  3. 2016-6-20

    大腿骨はどのようにして脛骨上を動くのか

    屈曲・伸展時において大腿骨は、脛骨上を転がり、そして滑ることで、その動きを可能にしています。…
  4. 2016-4-25

    インスリンの過剰と代償機構

    インスリン過剰の結果みられる症状は、直接的であれ間接的であれ、すべて神経系に対する低血糖の効果の現れ…
  5. 2016-4-16

    骨格筋弾性タンパク質であるコネクチン

    現在知られているなかで最も大きなタンパク質であるといわれるコネクチンは横紋筋、すなわちコネクチン、す…

FACEBOOKもチェック!

注目TOPIC

  1. 2017-1-23

    ムーブメントディレクション

    「ムーブメントディレクション」とは、トレーニング動作の方向を意味します。トレーニングでは種目によ…
  2. 2015-5-26

    細胞レベルでみる肥満

    ヒトは約60兆個の細胞から構成されていますが、脂肪細胞の数は約300億個と推定されています。…
  3. 2017-3-3

    回転スピードをコントロールして運動の効果を高める

    慣性モーメントが大きいを回しにくく、慣性モーメントが小さいと回しやすいということはフィギュアスケート…
  4. 2015-4-15

    間脳の解剖 前編

    間脳は大脳半球と中脳との間にある脳部です。背面は大脳半球に覆われているので、外からは見えませ…
  5. 2016-1-6

    持続的な伸張に対する筋の適応

    伸張は筋に対して大きな適応を起こす手段のひとつです。その伸張を持続的、慢性的に起こすと果たし…
ページ上部へ戻る