運動中の突然死

スポーツをする上で、選手の安全は守られなければなりません。

しかし、ときに生命を脅かす事故が起こったり、突然死が起こることもあります。

たとえば、長時間の激しい持久性運動は、カテコールアミン分泌増加をもたらし、冠動脈スパズムを誘発し、心筋虚血を起こすことに直接的に関係します。

また冠動脈スパズムは、血管内膜障害をもたらし、血栓の形成にも間接的に関係します。

カテコールアミン増加自体も、血栓形成の可能性を高め、乳頭筋や心筋の局在的線維化をもたらすことに関連します。

またこれらのことも心筋虚血に関与すると推測されます。

他にも、高地での運動は、低酸素血症により呼吸性アルカローシスがもたらされ、冠動脈スパズムが誘発されることも推測されます。

暑熱環境下では、血清マグネシウムイオンの低下が起こり、このことが血栓形成の可能性を亢進し、乳頭筋や心筋の局在的線維化をもたらすことも推測されています。

さらに、運動に関連した突然死を起こした選手の剖検結果によれば、ほとんどの者が循環器疾患を有していることがわかりました。

冠動脈硬化症、肥大型心筋症、大動脈弁膜症、心筋炎後遺症、WPW症候群といった基礎疾患があれば、運動時に心筋虚血、心筋興奮性増大、急性左心不全、伝導障害、心房細動を起こす可能性があり、心室細動や心室停止をもたらし、突然死につながると考えられます。

また、動脈瘤を有している場合、運動時の血圧上昇によって動脈瘤破裂を起こし、突然死につながると推測されます。

基礎疾患を有していない場合でも、運動中に血液凝固性亢進、前述の冠動脈スパズム、電解質・代謝異常、カテコールアミン分泌異常を起こし、心室細動、心室停止、ショックがもたらされるかもしれません。

熱中症の場合には、異常な高体温や高度の脱水のために、中神経障害やDIC(全身性血管内凝固症候群)が起こり、ショック、呼吸麻痺をもたらし突然死につながると考えられています。

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