筋肥大におけるホルモンの役割

成長因子の働き


成長因子は、器官内の細胞から分泌され主に局所的に働いて細胞の成長を調節するペプチドのことです。

多数の因子があるのですが、筋の肥大や適応に関係の深いものに、インスリン様成長因子-Ⅰ(IGF-Ⅰ)があります。
IGF-Ⅰはインスリンに類似した構造をもち肝臓及び筋繊維自身から分泌されます。

肝臓は、下垂体で分泌された成長ホルモンの刺激を受けるとIGF-Ⅰを血中に分泌します。

このIGF-Ⅰは体内を循環し、ホルモンとして筋をはじめとするさまざまな器官に作用します。
一方、トレーニング中に強く活動した筋線維もIGF-Ⅰを分泌し、自身や周囲の筋サテライト細胞に作用してタンパク質の合成を促してくれます。


ホルモンと筋肥大


細胞内のタンパク合成はまず、核内の遺伝子DNA上にある暗号が、RNAに写し取られることから始まります。

1つの核がこうしてタンパク質を供給できる範囲には限界があり、その範囲を各領域とよびます。

筋線維が個々の核領域の限界を超えて肥大するためには、核の数を増やす必要があります。

このような場合には、筋線維の周囲にある筋サテライト細胞が増殖し、筋線維に融合することによって筋線維核数が増えると考えられています。

成長ホルモン、IGF-Ⅰ、テストステロンなどのアナボリック・ホルモンは、筋線維に働いて核での遺伝子の転写を活性化するとともに、筋サテライト細胞を刺激してその増殖を促し、筋の肥大を引き起こすと考えられています。

筋線維自身も、トレーニングによってIGF-Ⅰを分泌します。

同時に、テストステロンや成長ホルモンの受容体の合成が活性化され、それらの数がふえることにより、筋線維や筋サテライト細胞のホルモンに対する感受性が増大します。

したがって、筋線維の肥大を効果的に引き起こすためには、筋線維そのものが強く活動することと、ホルモンが筋線維に働くことの2つが必要になるのです。

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