若年者の膝関節傷害

若年の選手における外傷・障害のパターンは成人とは大きな相違があります。

それは筋・骨格系の構造と生理学のいくつかの違いに基づきます。

成長・成熟期での骨および軟部組織の変化はそれぞれの障害パターンが各年齢により異なることを意味します。

骨組織は成長と成熟の間に機械的特性において変化します。

若年者の骨組織は成人のものよりより多孔質であり、そのため成人ではみられない彎曲したあるいは隆起した骨端幹部の骨折を生じやすくなります。

青年期では、骨に対するホルモンの影響が特に重要です。

月経の遅れや無月経症から生じる低エストロゲンを伴う女性選手では疲労骨折や側彎症を高頻度で生じます。

若年の選手における成長軟骨は、成長軟骨帯の骨折と同様に障害を受けやすいもう1つの要素となります。

成長軟骨帯の骨折パターンは年齢によって変化します。

例えば、足関節遠位脛骨成長帯外側のSaler-Harris III型の損傷は中央と内側部分の骨端閉鎖後の狭い年齢範囲(12〜14歳)で生じます。

若年選手に特徴的な関節障害は離断性骨軟骨炎と外側円盤状半月板です。

離断性骨軟骨炎は、関節面は正常ですが、軟骨の軟化を生じる程度から関節遊離体を生じる程度までさまざまな軟骨下骨組織の状態を示します。

外側半月板の成長障害は、時として生じる痛みや弾発現象、少年期のスポーツ活動者に症状をもたらす原因となる円盤状半月板となります。

小児の靭帯は成長期のある時期では、成長軟骨帯より強靭で、関節への過度の外力は成長軟骨帯の骨折を生じます。

しかし、靭帯捻挫や断裂は小児にも多く生じます。

成長軟骨帯は思春期以前のほうがより強く、靭帯の断裂は成長軟骨帯の傷害の有無に関わらず、思春期以前の小児にも報告されています。

靭帯断裂は青年期にも同様に生じます。

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