鵞足炎は、ランニングやジャンプ、切り返し動作などを繰り返すことにより、鵞足を形成する筋群に過度な負担が生じ、鵞足の脛骨付着部やその近位に存在する滑液方に炎症が生じ、疼痛を引き起こします。
発症原因としては、膝外反アライメント・下肢過外旋・鵞足に付着する筋群のタイトネスが関与しますが、特定の動作により疼痛を訴える場合は、動作不良が大きく影響しています。
特に、ニーイン・トゥーアウトによって鵞足炎が惹起されていると言われています。
そのため鵞足に付着する筋の走行によりその作用は異なるために、十分に鑑別する必要があります。

症状としては、鵞足炎は付着部の炎症である場合、筋収縮や伸張に伴う疼痛が誘発される事が多いです。
鵞足には、縫工筋・薄筋・半腱様筋の3つの腱が付着しているため、それぞれの作用方向に抵抗もしくは伸張を加えることで主な原因になっている筋の特定ができます。
関節包の炎症の場合には、腫脹が生じていることがあり、また鵞足とMCLとの間に生じる過度な摩擦が原因であるため、鵞足を圧迫した状態で膝関節を屈伸すると疼痛を誘発しやすいです。
鵞足炎と症状が似ていて特に鑑別が必要なものは、内側半月板損傷や内側側副靭帯損傷です。

治療として鵞足炎に対しては、疼痛の原因になっている筋腱のストレッチや、膝関節外反や下腿外旋のようなアライメント不良を修正し、鵞足部へのストレスを軽減させていきます。
さらに鵞足部への伸張ストレスが増加するニーイン・トゥーアウトなどを修正していく必要があります。
荷重下の運動では、運動連鎖を考慮して患部外へのアプローチも重要で、足部のアライメント不良が問題となっている場合には、インソールの使用も有効と報告されています。

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