関節保護を行うための内的トルクの修正

リハビリテーショにおけるいくつかの治療は、身体活動を行う際の関節応力の大きさを減じる目的で行われます。

このような治療の目的は、弱化したまたは痛みのある関節を、大きくかつ関節を損傷する可能性がある力から守ることにあります。

その目的は、活動する頻度、パワーを抑える、緩衝材(インソールなど)をつくる、筋に求められる機械的な力を制限することなどがあります。

例えば、人工関節置換術をした患者にとっては、大きな筋力による関節応力を最小限に留めることが求められます。

股関節の置換術後の患者を例とすると、股関節外転筋による不必要に大きな力が生じないよう指導されることがあります。

歩行中、単脚支持時にあるときの大腿骨と骨盤が、前額面上で静的平衡状態を保つためには、立脚側股関節回りの内的トルクと外的トルクが釣り合う必要があります。

シーソーを例にして考えると、時計回りに対して反時計回りの力が釣り合っていなければ平衡状態を保てないということです。

つまり、体重とそのモーメントアームの積が、股関節外転筋力とそのモーメントアームの積が等しくある必要があります。

しかし、股関節回りの外的モーメントアームは、内的モーメントアームの約2倍の長さがある点を考慮しなければなりません。

このモーメントアームの違いにより、静的状態を保持するための筋力は体重の2倍の値が要求されます。

理論的には、体重の増加を防ぎ、軽い荷物を持つ、または適切な位置に軽い荷物をもつことで、外力または外的モーメントアームを減らすことができ、股関節回りの外的モーメントアームを減らすことができます。

外的トルクの減少は股関節外転筋に求められる力を大幅に減らし、人工関節にかかる関節応力を減らすことができます。

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