活動性の高いヒトに好発する膝窩動脈絞扼症候群

膝窩動脈絞扼症候群(popliteal artery entrapment syndrome : PAES)は、特に若く活動性の高い男性において、運動に誘発される下肢症状の原因として診断されます。

症状は、運動に誘発される痛み、痙攣、跛行、腓腹部や足部の痛みなどさまざまです。

さらに腓腹部や足部の皮膚蒼白、皮膚温低下、感覚鈍麻、しびれ感などが起こることがあります。

しかしながら、PAESはいまだにしばしば見落とされがちな疾患です。

このPAESですが、真の発生原因はまだ分かっておらず、胎生期の膝窩部の血管、筋の発達に関連するとされますが、慢性的な下肢のコンパートメント症候群もこれに関連すると言われています。

ある調査では、運動をする人が多い地域において高い発生率を認めたことから、胎生期の発育形成時の腓腹筋と膝窩動脈の奇形に加え、運動の結果肥大した筋と骨との間で動脈が圧迫されることも、動脈絞扼の原因として考えられます。

その他のまれなPAESの原因として大きな膝窩嚢腫や膝窩部の線維性帯状物がみられることがあります。

PAESは繰り返し進行する膝窩動脈の圧迫によるものであり、最終的には動脈壁を損傷し動脈瘤や局所的なアテローム性動脈硬化の形成が起こります。

症例によっては、突然の動脈閉塞や動脈瘤内の血栓により急性虚血に陥ることがあります。

最も起こりやすい症状は前述の通り、運動により誘発される進行性の疼痛です。

また、その多くで跛行が認められ、特に速い歩行において認められることが多いとされています。

さらに、急性または慢性の下肢虚血症状を有している症例もありますが、その多くは脛骨の疲労による痛みと診断されており、血管障害であると認識されることが少ないとされています。

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