感性とは

一般的に、感性とは、物事に対する感受性を意味するもので、明治時代の啓蒙家である西周がsensitivityの訳語として感情と同義語の感性という言葉を当てたのが始まりだとされています。

日本語というものは厄介なもので、sensitivityだけでは感性という言葉の意味を補完するのは難しく、sence, sensibility, feeling, esthetics, emotion, intuitionなどの意味を合わせ持ちます。

感性という概念自体は古くからあり、古代ギリシャ語のaisthesis(さまざまな種類の知覚や感受性を表す言葉)はまさしく日本語の感性と対応するものです。

この感性というものがどこで生み出されているものかというと、これはやはり脳ということになります。

2004年にさまざまなメディアで注目され、学術的報告がなされた症例があります。

脳卒中で倒れたトミー・マクヒューという男性が、倒れて以来、それまで興味のなかった芸術への関心が突発的に現れたというものです。

急激に創作活動が高まり、それ以降の人生は創作活動そのものとなりました。

しかし、意欲が高まったものの、創作技術が劇的に変化したわけではなく、つまり、芸術的才能の変化というより感性の変化と捉えられます。

また、脳損傷によって、見ている対象が何であるかはわかっているのに、その対象から普通に生じてくる感性が持てなくなるという報告もあります。

例えば、綺麗な花をみても病前に感じていたように美しさが感じられない、耳や鼻などの感覚器官を通じた感性には問題はないが、視覚的感性が低下するなどがあります。

さらに、てんかん治療のために側頭葉の部分的切除によって、絵画や音楽、文学などの芸術的な好みが変化したという報告もあります。

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