胸椎のアライメント

上半身の動きで重要となる『胸椎のアライメント』。

非対称的な日常動作など何らかの原因で、胸郭に非対称性が生じます。
胸郭の非対称性は、胸椎の回旋及び側弯などもたらし、その結果、胸郭の可動性にも偏りが生じ、脊椎全体としての可動範囲にも制限をきたします。

脊椎の側弯・回旋アライメントの特徴は、上位由来の場合と下位由来の場合に分けて考える必要があります。
上位由来とは、頚椎や肩関節運動と関連して、上部胸郭の非対称性が生じることを意味しています。
上位由来の胸郭非対称性は、下位胸郭や腰椎アライメントへの影響は比較的小さく、上位胸椎のみに非対称性が生じます。
これに対して、下肢・骨盤・腰椎など下位脊椎に起こった非対称性は、顔面を水平かつ正面に向けるため、胸椎や頚椎において代償されます。
具体的には、腰椎の左凸の側弯は、胸椎の右凸の側弯によって代償されます。

●上位由来の脊椎非対称アライメント
上部胸郭の非対称的なアライメントや運動を長時間・高回数反復することは、上部胸郭の非対称アライメントを誘発し、頚椎や肩関節の運動にも支障をきたす場合もあります。

例えば、バイオリン奏者は、バイオリンを左肩と顎で固定し、左手では弦を操作、右手では弓を操作する動作を反復します。
その結果、頚椎・上位胸椎・肩甲帯・肩関節・などに非対称的なアライメントを
呈しやすく、肩こりや頚部の不快感が出現しやすい。右打ちのゴルファーは右手を下方にしてグリップするが、その状態でのスイング中の肩甲骨の運動により、右肩下がりの姿勢を呈しやすくなります。
上記のような頚椎や関節周囲の非対称的なアライメントには、上部胸郭の非対称アライメントが起こりやすくなります。

●下位由来の脊椎非対称アライメント
下肢の脚長差や股関節の可動域制限は骨盤の非対称アライメントを導き、その結果、仙骨の傾斜や回旋が誘発されます。その結果、腰椎側弯、胸郭の回旋など、上行性の代償が脊柱内に起こります。
このような状態は機能的側弯と呼ばれ、加齢とともに徐々に胸郭の可動性が失われ、また周辺の筋の緊張などによる不定愁訴が出現しやすくなります。

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