予測的姿勢制御とは

日常の動作は、たとえば床からものを持ち上げたりドアを開けたりする場合、過去の経験によりものの重さやドアを抵抗などを考慮し、どのくらいの力を出せばよいか、あるいはどのような姿勢をとればよいかなどが予測されて行われています。

エコロジカル理論の立場で考えれば、日常の動作が行えるのは環境からのアフォーダンスを適切に獲得しているからということになります。

目的動作に伴う姿勢制御は、自らが行う動作によりバランスを崩さないように目的動作に先行する準備的姿勢調整が行われます。

これは予測的姿勢制御とよばれ、一側上肢挙上に伴う下肢筋の活動や、つま先立ち動作に伴う下腿筋の活動などの分析で研究が行われています。

一側上肢挙上においては、上肢挙上動作開始に40〜50msec先行して同側のハムストリングスが活動します。

つま先立ち動作では、主動筋であるヒラメ筋に60msec先行して前脛骨筋が活動します。

これらの筋活動は、目的動作によって生じる姿勢変化に伴うモーメントの乱れを相殺するために活動します。

このような自発運動は、たとえば、一側の上肢を挙上する課題の場合、上肢を挙上する前の準備のための姿勢筋活動相と実際に上肢を挙上する目的活動相、上肢の挙上運動による姿勢動揺を感知し、その動揺を安定化させるための代謝活動相または立て直し活動の3つの相に分けられます。

前者の2相はフィードフォワード制御であり、後者は感覚と運動が対になったフィードバック制御によるものです。

 

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