筋細胞とグルコーストランスポーター

筋細胞の外からインスリン受容体が刺激され、グルコースが取り入れられたのち、運動はグルコーストランスポーター(GLUT)を細胞膜へ移動させ、同時に糖輸送活性も増強します。

また、筋のタイプによってGLUTの含有量と最大糖輸送活性は異なり、赤筋は白筋に比べ、約3〜5倍のGLUT4と糖輸送活性を有します。

白筋では、運動とインスリンは各々がほぼ同程度まで糖輸送を増加させるのに対し、赤筋において、運動の効果がインスリンの約2倍となります。

筋収縮によりもたらされた糖輸送の増加は、インスリン非存在下では即剤に低下し始め、通常、約2時間以内にもとのレベルに戻ります。

GLUT4は横紋筋で最も多く存在し、インスリン刺激や筋収縮に呼応して細胞内から細胞膜へ移動します。

運動は酵素レベルにおいて骨格筋が運動中にグルコースを酸化して、運動後にグリコーゲンうとして糖質を蓄える能力を増すような適応をみせます。

一方、インスリン受容体とインスリンの結合能力の低下で耐糖能の異常が起こっている場合を、インスリン抵抗性が生じているといいます。

しかし、インスリン抵抗性が生じていても、筋細胞内でグルコーストランスポーターが膜表面に移動するよう、インスリン受容体を介さない何らかの信号を受けることがあります。

運動などによってATPが枯渇すると、ATPを産生するために、ADPから1個のリン酸を取り出してAMPを産生する反応が生じます。

このAMPの増加と酵素反応を起こすAMPKの活性化は筋収縮に伴って生じるとされ、この両者がインスリン介在信号に代わりグルコーストランスポーターの移動を促します。

したがって、骨格筋の収縮はインスリンを必要としないGLUT4の移動を促す信号を発生させています。

これは、運動療法や身体活動による糖代謝の改善に関わる機序の一つとして注目されています。

 

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