筋収縮の調節

筋収縮の調節は、運動単位の動員とインパルスの発射頻度の調節によって行われています。

動員(recruitment)は、空間的活動参加とよばれることもあります。

インパルスを発射する運動単位の数が多くなれは、収縮に参加する筋線維の数も増え、結果的に筋全体としての張力が大きくなります。

この運動単位の動員順序には一定の法則、つまりサイズの原理が存在します。

一般に、収縮張力が小さく、疲労しにくい筋線維を支配している運動単位は、神経細胞体が小さく低閾値であるため、インパルス発射開始の順序は、いわゆる遅筋線維から速筋線維という流れになります。

ただし動員について、実際にはサイズの原理に従わない場合もあります。

例えば、皮膚からの刺激が高い閾値の運動単位を動員し、低い閾値の運動単位を抑制する現象を引き起こすことなどが知られています。

これに対して、運動単位でのインパルス発射頻度による収縮調節(reta coding)は、時間的活動参加ともよばれます。

単収縮の刺激を反復すると、刺激の間隔が広い場合はそれぞれの刺激に対する単収縮の張力曲線がみられますが、刺激間隔が一定以上狭くなると、その張力曲線は融合してより高いピークが生み出されます。

これを加重現象といいます。

さらに反復の回数を増やして刺激間隔を狭くしていくと、強縮を起こして、さらに高いピークを生み出すことができます。

高頻度刺激による完全強縮の張力は単収縮の2〜5倍で、発生可能な最大収縮力となります。

ヒトの場合、短時間で最大張力を生み出すような運動では、インパルス発射頻度が80Hz異常に達することもありますが、同じ筋でも、最大張力に達するまでの時間が長くなるとその頻度は減少します。

このように、インパルス発射頻度は運動の速度に依存していますが、最大張力に達してからの発射頻度はほぼ一定となります。

ただ、この発射頻度は筋や運動単位の種類にも依存します。

例えば、最大張力を維持する際の発射頻度は、咬筋や上肢の筋のように脊髄髄節レベルが高い筋のほうが高くなります。

また、運動単位の最大発射頻度が動員の閾値に比例する筋もあれば、動員閾値に関係なく発射頻度がほぼ一定となる筋もあります。

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