長さ‐張力曲線とは

長さ‐張力曲線は、筋の収縮力によって発生する張力は筋の長さと密接に関係しているということを表したもので、発見者の名をとってBlix曲線とも言います。

筋の活動張力は、自然長において最大の張力を生じ、その60%以下の長さで張力を失います。

また、自然長を超えると電気刺激によって生じる張力は減少しますが、筋を構成する結合組織の張力が加わるため、全張力は増加することが知られています。

さらに、筋はそれが作用する関節の全可動域を起こすためには、これに要する筋の短縮距離の約3倍の長さを必要とすることが分かっています。

筋の長さ‐張力曲線は、サルコメアの長さと張力の関係で表わされることもあり、これによると、サルコメアは2.0〜2.20μmで最大の張力を示し、それよりも短くても長くても張力は弱くなり、張力が0に近くなるのはサルコメアの長さが3.65μmよりも長いとき、または1.3μm以下の場合であると考えられています。

この筋の長さ‐張力曲線の理論により、二関節筋もしくはそれ以上の関節にまたがっている筋が同時に全ての関節にわたって短縮する必要が生じた場合、ある点まで短縮すると、もはや効果的な筋の張力を生じることができなくなります。

例えば、手関節を掌屈させたまま強く握りこぶしをつくることはできないか、できたとしても握る力は弱くなってしまいます。

しかし、手関節を背屈すれば握る力は強くなります。

これは筋の長さ‐張力曲線の理論から指の屈筋が十分な張力を生じるためには、手関節を背屈させて屈筋を十分に伸張させることが必要であることを示します。

同じような例は、股関節と膝関節屈曲伸展時のハムストリングスと大腿直筋の関係にもみられます。

股関節を最大伸展させるには、大腿直筋を伸張させ、かつハムストリングスを弛緩させるために、股関節を伸展位にさせる必要があります。

一方、膝関節を最大屈曲させるためには、股関節を屈曲位にして、ハムストリングスを伸張させ、かつ大腿直筋を弛緩させる必要があります。

このように、股関節屈曲、膝伸展筋である大腿直筋とその拮抗筋であるハムストリングスは長さ‐張力曲線の理論から全体としてつり合いが取れていると言えます。

しかし、股関節と膝関節の両端で同時に伸張を試みるとき、例えばハムストリングスは股関節と膝伸展とを同時に可能にするほど長くないため、運動は困難になります。

これを二関節筋の制約作用と言います。

 

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  1. 2017年 7月 19日
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