肩甲上腕関節の緩い適合と不安定性

いくつかの肩甲上腕関節の形態像は、安定性を犠牲にして可動性を優位にしたこの関節の解剖学的構造の設計に寄与しています。

関節窩関節面は上腕骨頭関節面の約1/3のみを覆うに過ぎません。

このサイズの違いにより関節窩とは上腕骨頭のごく一部が接触するに留まります。

成人では上腕骨頭の縦径は関節窩のそれの約1.9倍となります。

一方、骨頭の横径は対面する関節窩の約2.3倍であるため、骨頭が関節窩内に適合しているとは言えません。

実際の肩甲上腕関節構造はゴルフボールがその1/4の大きさの硬貨の上にのしかかっているのに非常に類似しています。

つまり、関節の安定性は骨頭の適合によるものではなく、関節周辺の筋や関節包靱帯がかかわるメカニズムを通して保持されます。

しかし、関節包靱帯は肩甲上腕関節の適切な支持と安定性を与えるには不十分である場合があります。

このような支持の欠如は上腕骨頭の並進運動により促進されます。

肩甲上腕関節にはある程度の緩みが正常でもみられますが、過剰な緩みは異常となります。

関節窩に対する上腕骨近位部の大きな並進運動と関連する関節の緩み、すなわち関節のあそびはしばしば肩の不安定性とよばれてきました。

肩の不安定性の診断は過剰な痛みや不安、あるいは機能欠如と関連することを意味しています。

肩甲上腕関節の不安定性は多くの方向で生じる可能性がありますが、多くの場合は前方あるいは下方において起こります。

ケースによっては、不安定な肩甲上腕関節脱臼や亜脱臼に至ることもあります。

肩甲上腕関節亜脱臼は関節面の不完全な離開と定義され、大奥は自然な部分的アライメント修復によるものです。

これに対して、肩甲上腕関節の脱臼は、自然な部分的アライメント修復を伴わない関節面の完全な離開と定義されます。

典型的には脱臼関節は第3者あるいは器具による特別な手技を用いて整復する必要があります。

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