手根部の靭帯の二重V字システム

手根運動の関節包内運動は、最終的には筋によって引き起こされますが、人体の受動的緊張によって方向づけられ、制限されます。

手根部は、中間位では4つの靭帯が2つの逆向きV字のようにみえ、しばしば靭帯の二重V字システムとよばれます。

遠位の逆向きVは掌側手根間靭帯の内側脚および外側脚からなり、近位の逆向きVは掌側尺骨手根靭帯および掌側橈骨手根靭帯の月状骨付着部からなります。

靭帯のメカニズムの4脚すべてが中間位にあってもわずかな緊張をもちます。

尺屈中には、受動的な緊張が手根の対角線上に生じますが、これは掌側手根間靭帯の外側脚および掌側尺骨手根靭帯の線維中に生じた伸張力によるものです。

橈屈中には、緊張状態が反対の対角で生じますが、これは掌側手根靭帯の内側脚および掌側橈骨手根靭帯線維中の伸張により生じます。

これらの靭帯中の緊張が徐々に高まることで、運動がコントロールされるとともに、手根骨に対する力学的な安定性が確保されています。

手根の伸張された側副靭帯に生じる緊張が、二重V字システムによる橈屈および尺屈の可動域の終点の決定に役立ちます。

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