斜頸や斜頭と寝る姿勢の関係

斜頸は、胸鎖乳突筋が慢性的に短縮した病態を指します。

この状態は、通常、若年の子どもや乳幼児にみられ、先天的または後天的に起こり得ます。

子どもや乳児は、ピンと張った筋の活動に影響され典型的な頭頸部の非対称姿勢をとります。

斜頸の原因としては、ほとんどが筋にあり、最も一般的な筋性斜頸では、胸鎖乳突筋の線維増殖が見られます。

斜頸の正確な原因は分かっていませんが、難産、骨盤位分娩、子宮内の位置異常や密集が関係しているとされています。

より深刻な非筋性の斜頸では、神経系や骨格系の病変が見られます。

斜頸の新生児の約1/3には斜頭が生じます。

斜頭は乳児の生まれつき柔らかい頭蓋骨の形が異常な成形やあとから歪んでくる状態です。

頭の歪みは、新生児の頭がほかの物に長い間あてがわれた状態で置かれることによって生じます。

一部の研究者は、斜頭のある新生児は回旋した頭が長い間集中的に何かに接触した結果、二次的に斜頭を生じてくると考えています。

アメリカ小児科学会では、乳幼児突然死症候群(SIDS)の発症率減少のため、新生児は仰向けで寝かせるよう推奨しました。

するとアメリカにおける新生児の睡眠パターンは劇的に変化し、腹臥位つまりうつ伏せ寝が66%まで減少し、SIDS発生率は約38%まで減少しました。

しかし、この仰向け寝の増加により後側方頭蓋を反映する斜頭の発生率を増加させることとなりました。

さらに、この姿勢性斜頭の増加に平行して姿勢性斜頸の増加をもたらしていることが明らかになりました。

とはいえ、SIDSの救命効果は、斜頭や斜頸の発生率増加よりずっと価値のあるものです。

これに対し臨床家は、新生児が起きているあいだは、うつ伏せ遊びも行わせるよう推奨しています。

これにより斜頭や斜頸の可能性を減らすことになるでしょうし、新生児の自然な運動発達を促進することになるでしょう。

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