足底弓蓋の地面への適合

現代の人々は、いつも靴で足を保護し、平坦で硬い地面を歩いています。

このため地形に対応する足部アーチの適応能力の必要性が減少し、その結果としてアーチの支持筋の萎縮を招きます。

平坦な足部は進化の代償であり、人類学者の間では、人間の足はいずれただの断端になってしまうとさえ予測されています。

この予測は、人間とサルとの比較により、足指は萎縮し、母指は対立運動ができないという事実から生まれているようです。

この傾向は今でも進行していますが、現在はまだ人間は、裸足で砂浜や岩場を歩くことが出来ています。

このことが特に足底弓蓋、つまり足部アーチにとって有益で、これが適合能力の回復の鍵となります。

つまり、足底への要求の増加は、その適応能力の向上につながります。

例えば、凹凸地形への適合では、足部が弓蓋のへこみの中に突出した地形を掴み込みます。

坂道での適合では、地面が外側の傾斜しているとき、前足部の荷重面はより広がります。

これは内・外側の中足骨間の距離が狭まることによって生じます。

坂道に横に立ったとき、下方の足部は回内し、上方の足部は外返し、もしくは外反足となります。

坂を登るとき、下方の足部は坂に対し垂直に内反凹足の肢位で強く地面に固定され、上方の足部は最大に屈曲し、坂に平行な肢位を取りながら地面に近づきます。

反対に、坂を降りるときは、側部は最高の把握能力を発揮するために、内返しになります。

このように、ちょうど手掌がそのアーチと空間上での向きを変化させることで把握能力をもつのと同様に足底は地面との最良の接触状態を得るため、可能な範囲で不整地への適合を高めています。

 

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