大腿骨はどのようにして脛骨上を動くのか

屈曲・伸展時において大腿骨は、脛骨上を転がり、そして滑ることで、その動きを可能にしています。

大腿骨顆の形状をみてみると丸く、一見転がり運動に最適であり、これだけで運動を可能に出来てしまうのではないかと思いがちですが、そうではありません。

もし脛骨顆上を滑ることなく転がるだけであれば、大腿骨は脛骨からはみ出す、つまり脱臼してしまうでしょう。

これは大腿骨顆の円周の長さと脛骨顆の長さが関係しています。

つまり、大腿骨顆が転がりのみを行うためには、脛骨顆の距離がその円周の長さと同じだけなければならず、大腿骨顆の円周の長さが脛骨顆の長さの2倍あるという事実からそれは到底起こり得ないことであるということが伺えます。

それでは反対に、滑り運動だけ行っている可能性もあるのではないかと考えることができます。

すなわち、脛骨顆の一点に対して、大腿骨顆の表面がすべて対応するということです。

しかしこれも適切とは言えません。

脛骨顆の後縁上に大腿骨が衝突してしまうため、屈曲が不十分なうちに制限されてしまいます。

これらのことからも、大腿骨は脛骨上を転がりと滑りの運動を行うことで屈曲・伸展を可能にしていることが予想できます。

転がりつつ滑ることで、脛骨顆上の移動距離の問題を解消し、衝突によるブレーキもかからなくなるというわけです。

これは、1836年Weberらによって検証され、証明されました。

さらに、屈曲・伸展の際、滑りに対する転がりの比率が変化することもわかっています。

すなわち、最大伸展位から屈曲を開始すると、滑ることなく転がり始め、次第に滑り運動が加わり、最終域近くでは、転がりなしで滑るようになります。

また、内側顆と外側顆でも転がりの成分が異なります。

内側顆では、純粋な転がりは屈曲の最初の10〜15°の間のみに生じ、外側顆では屈曲が20°に達するまで転がりが継続します。

したがって、外側顆は内側顆に比べるとより速く転がり、このことは脛骨顆上に対応する大腿骨外側顆が動く長さの方が、大腿骨内側顆の動く長さよりも大きいことを表しているとされています。

これは、膝の自動回旋機構にも関連しています。

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