動作のフィードバックと運動ニューロン

ヒトは筋肉を動かすことで身体運動を可能にしています。

筋肉はすべて神経によってコントロールされていますが、筋肉はただ命令を聞くだけの機械ではありません。

筋には、筋紡錘という筋の張力やその引っ張りの速度を感じ取るセンサーがついています。

これは筋が適切に働くために、その時々の情報を受け取り、中枢に送るなどの働きをしています。
つまり筋は中枢からの命令を受けつつ、中枢に対して自分の状態もフィードバックするというような働きをしているというわけです。

この筋紡錘ですが、すべての筋に等しく同じ数存在しているわけではありません。

例えば、腕の筋肉で代表的な筋である上腕二頭筋の筋紡錘は1gあたり約2個だと言われていますが、手の中にあるとても小さな虫様筋には1gあたり約20個の筋紡錘があるとされています。

虫様筋は、例えば字を書いたり、箸を使ったり、物を握るなど、繊細で柔軟な手の動きに対応しています。

繊細な動きを行うためには、必要不可欠なものなのでしょう。

また、虫様筋のように緻密な動きをする筋は、神経支配比が少なく、ひとつの神経が支配する筋線維はとても少ないものになります。

つまり、それだけ命令に対して鋭敏に働くことが出来るということです。

上腕二頭筋のように、それほど緻密な要求がされず、逆に大きな運動を要求される筋では、ひとつの神経がたくさんの筋線維を支配します。

つまり、それだけ一度に協調して発揮できる筋が多くなるということです。

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