大腿骨頸部と大腿骨骨体内側のなす角度のことを頸体角といい、この頸体角が垂直に近づいている状態を言うのが外反股ですが、これによる影響は、股関節の荷重が増大するというものです。

人間は二足で立位を保持しているとき、両方の股関節に同じだけの荷重がかかります。

次にこれを片足で立位をとった場合、単純に片方の股関節に加わる荷重が2倍になるというわけにはいきません。

パウエルズの理論というものがあり、これによると荷重がかかっている側の股関節には体重の約4倍の力が加わっていると言われています。

片足立位を取った際の体重がかかる重心位置と片足立位を保持するために働く筋との距離が3:1と言われており、これにより筋が発揮する筋力は体重の約3倍となり、これと体重が合わると約4倍になります。

股関節には股関節合力、つまり筋力と体重の合力が加わるため、約4倍の力が股関節に加わるわけです。

しかし、これは正常の頸体角をもった人の場合で、頸体角が垂直に近づくと、重心位置と筋との距離も近づきます。

パウエルズの理論では、この頸体角が150°になると股関節には6倍以上の力が加わるとされています。

このように前回の内反股と今回の外反股は、股関節にとってさまざまな影響が起こります。

実は起こること全てが悪いことばかりではありませんが、何にせよ対策を講じる必要はあるでしょう。

頸体角を変えるのは困難なことですが、これにより起こる変化を考えた上でプログラムを考えることが重要となるでしょう。

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