前腕骨間膜の構造と機能

前腕骨間膜は、文字通り前腕において橈骨と尺骨を結合しています。

前腕骨間膜はいくつかの線維から構成されており、その中で最も明瞭な中央線維束は、橈骨から斜めに尺骨体を20°の角度で横切るように遠位内側方向へ走行しています。

中央線維束はほかの線維に比べ約2倍厚く、膝の膝蓋腱と同様の弾性力を持っています。

これとは別に、まばらで明確には区別できないわずかな線維束が、骨間膜の中央線維束の方向と直行して走っています。

その内の1つである斜索は、尺骨粗面外側から二頭筋粗面のすぐ遠位へと走行しています。

これらの組織構造とは別に、無名の線維束が前腕骨間膜の最も遠位端に位置します。

骨間膜の主な機能は橈骨を尺骨に結びつけ、いくつかの手の外在筋に対して安定した付着部を提供するとともに上肢への力の近位伝達メカニズムを担うことです。

一般に、荷重で生じる圧迫力の約80%は、橈骨手根関節を介して手根を越え前腕に伝達されます。

残りの20%の圧迫力は、手根骨の内側と尺骨の間の尺骨手根間隙内の軟部組織を介して伝わります。

骨間膜中央線維束の方向により、橈骨を介しての近位方向への力の一部は膜を越え尺骨をへと伝達されます。

このメカニズムにより、手根で生じる圧迫力の一部が腕尺関節を介して肘へと伝わります。

これにより腕尺関節と腕橈関節とで肘を越えた圧迫力を均等に分け合うことができ、それぞれの関節に長期にわたり加わる摩耗や断裂を減ずることが出来ます。

ほとんどの肘屈筋、そして基本的にはすべての主要な回外筋、回内筋の遠位付着は橈骨にあります。

したがって、特に肘が完全伸展位に近いとき、これらの筋の収縮により橈骨は上腕骨小頭に対して近位へ引っ張られます。

腕橈関節における圧迫力が最大努力下の活動の際、体重の約3〜4倍になることが判明しています。

手に加わった圧迫力は主として橈骨手根関節で介して橈骨に伝達されます。

この力はよって骨間膜は伸張され、その結果、一部の圧迫力は尺骨と腕尺関節に伝達され肘を越えます。

肘を越えて伝達された圧迫力は最終的には肩へと向かいます。

これらのメカニズムに基づけば、骨間膜の橈骨に加えられる筋によって生じる圧迫力の力の一部を橈骨から尺骨へと分散するのを補助します。

これにより骨間膜は大きな筋原性圧迫力から腕橈関節を保護することが出来ます。

骨間膜内の断裂は局所の筋の活動によって橈骨を目にみえる大きさで近位へと変位させ、その結果、腕橈関節に対して負荷を増強し、変性の可能性を高めます。

骨間膜の主要な線維方向は、橈骨に加わる遠位方向への力に対して抵抗するような配列にはなっていません。

例えば重いスーツケースを肘伸展位で保持する場合、橈骨を介して牽引力のほとんどがかかります。

橈骨に対するこの遠位へ引っ張る力は骨間膜を緊張させるどころか逆に緩めてしまいます。

したがって、この荷重は受け止めるために、斜索や輪状靭帯などのその他の抵抗能力の乏しい組織が抵抗します。

通常、把握に関係する腕橈骨筋やその他の筋群が収縮すると、橈骨の保持を助けるとともに上腕骨小頭にかかる負荷を補助します。

長時間、重い荷を運ぶ者が前腕深部痛を訴えるのは、これらの筋の疲労のせいかもしれません。

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