グルコーストランスポーターとは

グルコースは促通拡散によって細胞内に取り込まれるか、あるいは腸や肝臓では、Na+とともに二次性能動輸送によって細胞内に取り込まれます。

筋肉、脂肪その他の組織では、インスリンは、細胞膜のグルコーストランスポーターの数を増やすことによって細胞内へのグルコース取り込みを促進します。

グルコースが細胞膜を通過して流入する促通拡散の過程を担うグルコーストランスポーターは、細胞膜を12回貫通する共通した構造をもつたんぱく質ファミリーに属し、それらのN末端とC末端は細胞内に存在しています。

グルコーストランスポーターは発見順にしたがってGLUT1からGLUT7と呼ばれる7種からなります。

これらのキャリアは、492個~524個のアミノ酸残基から構成され、それぞれグルコース親和性は異なります。

つまり、それぞれ特有の働きを担っているものと考えられ、GLUT4は、筋肉と脂肪組織に局在しインスリンによって刺激されるトランスポーターです。

GLUT4分子はインスリン感受性細胞の細胞質の小胞に予備的に貯蔵されています。

これらの細胞のインスリン受容体が活性化されると、小胞は直ちに細胞膜に向かって移動しこれと融合し、その結果トランスポーターが細胞膜に移動します。

インスリンの作用が止まると、トランスポーターを含む細胞膜の領域はエンドサイトーシスが起こり、小胞は次のインスリン刺激に対し準備を整えます。

インスリン受容体活性化による小胞の細胞膜への移動は、ホスファチジルイノシトール3キナーゼ(PI3キナーゼ)の活性化によりますが、PI3キナーゼ活性化が小胞の移動をもたらす機構はまだ解明されていません。

一方、インスリン感受性をもたない他のタイプのグルコーストランスポーターのほとんどは細胞膜にとどまっていると考えられています。

インスリンが細胞膜グルコーストランスポーターの数を増す組織において、いったん細胞内に入ったグルコースのリン酸化速度は他のホルモンによって調節されます。

特定の組織では成長ホルモンとコルチゾールの両方がリン酸化を抑制します。

しかし、このリン酸化過程は正常では極めて速く進むので、グルコース代謝の律速段階とはなりません。

インスリンはグルコースの幹細胞内への移動も増大させますが、この効果は細胞膜GLUT4トランスポーター数の増加によってもたらされるものであると考えられています。

インスリンがグルコキナーゼを誘導し、それがグルコースのリン酸化を増大させ、その結果細胞内の遊離グルコース濃度が低い値にとどまり、グルコースの細胞内の移動が促進されるのです。

インスリン感受性組織は、上記の小胞に加えてインスリン作用に依存せず運動に応答して細胞膜に移行する別の種類のGLUT4小胞をもっています。

これが運動が血糖を下げる理由になります。

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