エコノミークラス症候群を考える

エコノミークラス症候群とは、循環障害のひとつで、深部静脈血栓症や塞栓症などの疾患概念となります。

それぞれの疾患からみていくと、深部静脈血栓症では、原因は、静脈内皮の損傷、血液凝固能の亢進、長期臥床などによる静脈系うっ血などを基礎として発症します。

症候としては、痛み、圧痛、浮腫、熱感、表在静脈の怒張などが患肢にみられ、立位や歩行では痛みが憎悪し、患肢挙上で軽快します。

また、腓腹部の圧痛(Homans徴候)がよくみられますが、これに限局された徴候ではないため、見過ごされがちです。

塞栓症は、血栓や塞栓の遊離により血管などを閉塞することを言い、エコノミークラス症候群において考えられる塞栓症には、静脈性塞栓症や奇異性塞栓症などがあります。

血栓の形成は静脈内に多く、遊離した血栓性栓子は、血液の流れにそって右心房、右心室を経て肺動脈に至り、肺動脈を閉鎖して肺塞栓症をきたします。

また、静脈系に発生した栓子は一般的には肺に到達して肺塞栓症を起こしますが、稀に静脈系に発生した栓子が心房や心室の中隔欠損や卵円孔開存がある場合に動脈系に入って塞栓症を起こすことがあり、これを奇異性塞栓症といいます。

肺に至った栓子は、詰まる部位によってその症状が異なります。

肺動脈主幹から左右肺動脈分岐部付近に詰まると、肺への血流が途絶え、急性循環不全から突然死を招くことがあります。

葉動脈以下の中小動脈の塞栓では、支配領域の壊死、すなわち肺梗塞が起こります。

肺は肺動脈と気管支動脈の2重支配であるため、壊死部には気管支動脈からの血液が流入し、出血性梗塞となります。

このようにエコノミークラス症候群をそれぞれの側面からみていくと非常に恐ろしい疾患ということが伺えます。

深部静脈血栓症などは見落とされがちで、命に関わる肺塞栓症を起こして初めてその存在に気づくこともあります。

普段から自身の体調に気をつけ、気にして、何か起こる前に対処していかなければなりませんね。

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