筋収縮による筋の伸張性低下

上腕二頭筋に筋収縮が生じている際に他動的に肘関節を伸展しようとしても簡単には伸展できないように、筋収縮が引き起こされている際の筋の伸張性は著しく低下しており、関節の運動性も低下します。

そして、この現象には筋原線維のアクチンとミオシンの間で形成されるクロスブリッジが大きく影響しています。

クロスブリッジは、興奮収縮連関によりもたらされる筋収縮を担うものですが、これには微小な伸張により容易に外れる弱い結合と、伸張を与えても容易には外れない強い結合とがあります。

そして、上記のような筋収縮が引き起こされている際のクロスブリッジは強い結合となっており、骨格筋の伸張性は著しく低下しています。

このような場合の典型例としては、痙縮や筋スパズムなどが挙げられ、骨格筋の伸張性は神経系の関与が大きいということが伺えます。

しかし、痙縮などの脳血管疾患片麻痺患者の骨格筋伸張性低下は、伸張反射の影響だけではなく、骨格筋そのものの変化も影響していると考えられています。

つまり、痙縮などによって筋収縮が持続的にみられると、二次的に骨格筋の器質的変化を招き、結果的に拘縮へと発展し、関節可動域制限が発生すると推察されます。

一方、クロスブリッジの強い結合は筋線維内のATPの枯渇によってもたらされ、クロスブリッジが形成したまま収縮機構が停止してしまい、筋線維は短縮位を保ったまま硬直状態となります。

この現象の主な例は死後硬直となりますが、末梢循環障害などによっても局所的に起こりうる現象であり、筋弛緩が阻害されることになります。

そして、このように筋弛緩がうまく行えないと筋収縮が継続されることになり、関節可動域は制限を受けることになります。

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