骨格筋からメッセージを読み取る

関節運動を行う際に骨格筋からどのようなメッセージが発せられているかを捉えることが治療を進めるうえで非常に重要となります。

骨格筋由来の拘縮の病態のひとつに筋長の短縮がありますが、その際に多くの場合、短縮しようとした筋を伸長しようと試みます。

そして、筋につっぱり感が生じ、痛みが発生し、その筋が収縮するというような現象は誰しも経験的に捉えていることでしょう。

しかし、拮抗筋がどのような状態になっているか、これを検討するのとしないのとでは結果は大きく異なってきます。

頻繁にみられることとしては、伸張によって筋につっぱりが生じるのと同時に、その拮抗筋、さらにその周囲筋群が収縮する現象があり、これはあたかも拮抗筋などで伸張を防御するようにみえることから、防御性収縮とよばれます。

そして、防御性収縮が生じている場合は、これを取り除かれなければ短縮した筋を十分に伸張することを困難で、拘縮の改善も望めません。

次に、骨格筋から発せられる痛みが重要な情報を与えてくれる場合があります。

前述のように、骨格筋を伸張位にするとつっぱり感から波及した痛み、つまり伸張痛が発生しますが、この場合は当該筋の短縮や伸張性低下が原因である場合が多いとされています。

これに対して、骨格筋を短縮位にすると痛みが発生する場合があります。

通常、障害を受けている筋は短縮するとmuscle cramp、いわゆるこむら返りと呼ばれる過剰な筋収縮を生じやすく、これが生じている際に短縮すると激痛を発します。

muscle crampが骨格筋全体に生じている場合は筋収縮が容易に確認できるため見過ごすことは少ないですが、これは筋線維の一部にもみられる現象であり、的確な評価を行わないとしばしば見過ごしてしまいます。

また、一部の筋線維の収縮が持続するとその部位は不動が強いられるため線維化などの病理学的変化も生じてしまい、筋内に硬い塊、筋硬結として触知されます。

関連記事

コメントは利用できません。

ピックアップ記事

  1. 2017-9-22

    リュックサックによる腰椎への圧縮軽減

    リュックサックはバッグとしての優れた役割もさることながら、腰椎への負荷軽減ギアとしても効果を発揮しま…
  2. 2017-9-5

    筋線維の形態的特徴について

    筋の形態は、張力発生能力、可動域、短縮速度に著しい影響を及ぼします。機能に影響を及ぼす形態的…
  3. 2017-8-11

    アフォーダンスとカノニカルニューロン

    随意的な動作は、中枢で生じた運動の意図が顕在化したものであり、「目的」はそれを達成するための筋道を決…
  4. 2017-7-19

    筋の拮抗的・共同的中和

    運動を円滑に遂行するために骨格筋はそれぞれ主動作筋、共同筋、拮抗筋と役割を持ちます。一般には…
  5. 2017-7-18

    クレンチング(食いしばり)と運動の関係

    クレンチングとは、無意識的に上下の歯を強く噛みしめる動作をいいます。習慣化されたものはブラキ…

FACEBOOKもチェック!

注目TOPIC

  1. 2014-9-27

    副腎皮質ホルモン

    副腎皮質ホルモンとは、副腎皮質から分泌されるホルモンの総称です。副腎皮質からは、性ホルモンと…
  2. 2014-11-22

    グリコーゲンローディング

    日常生活におけるあらゆる運動・スポーツはエネルギー源物質であるアデノシン三リン酸(ATP )の高エネ…
  3. 2015-9-8

    安静立位姿勢と筋活動

    人間の日常生活の行動の多くは、立位姿勢やそこから派生する姿勢で行われています。そのため、立位…
  4. 2015-2-2

    セントラル・トリガーポイント

    筋膜痛を解決するには、まず、筋の中央に生じるセントラル・トリガーポイントを見つけることが大切です。…
  5. 2015-4-18

    さまざまな輸送の仕組み

    我々の体にはさまざまな輸送の仕組みが備わっている。消化管での栄養素の輸送、血管壁を通じた栄養…
ページ上部へ戻る