筋活動の逆転

3度の運動自由度をもつ関節の筋は、関節の肢位によって働きが異なります。

これらの筋が通常もつ働きとは異なったり、逆の作用になることさえあります。

もっとも典型的な例は、内転筋群の屈曲要素の逆転です。

直立位からスタートするとき、すべての内転筋は、大内転筋の後部線維およびとくに20°伸展まで伸展の作用が持続する下方線維を除いて屈曲に働きます。

しかし、この屈曲作用は大腿骨が各筋の起始の位置より下方にある場合に限られます。

そのため、長内転筋は大腿骨が+50°の位置では依然として屈曲に働きますが、それが70°では伸展に働くようになります。

短内転筋も同様に大腿骨が+50°までは屈曲に働き、その後は伸展に働きます。

薄筋の場合、屈曲に働く限度は大腿骨が+40°の位置になります。

また、+120°では大腿筋膜張筋がもっとも短縮しますが、大腰筋は、その腱が腸恥隆起から外れる傾向になるため、有効な収縮はしません。

大腿方形筋もまた、筋作用の逆転を明らかに示します。

大腿方形筋は、股関節屈曲では伸筋になるのに対し伸展位では屈筋となります。

この作用が転換する肢位は直立位となります。

筋の効率は、股関節の肢位により大きく影響を受けます。

股関節があらかじめ屈曲しているときには、股関節伸筋はすでに緊張しています。

120°屈曲位では、大殿筋は他動的に引き伸ばされます。

このとき、ハムストリングスでは、膝を伸展したままで股関節をまっすぐしたときの長さの約50%引き伸ばされます。

さらにハムストリングスは、直立位から20°の伸展において、長さの変化が比較的小さいことが知られています。

これにより、ハムストリングスは股関節の半屈曲位でもっともよく働くという考えが確定的なものになります。

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