しびれの原因と病態

しびれの原因疾患は、末梢から①末梢神経障害、②手根管症候群や足根管症候群、③肘部管症候群、④頚椎症性神経根症、⑤頚椎症、⑥脊髄疾患、⑦延髄・橋疾患、⑧視床疾患、⑨大脳皮質への疾患の局在などがあると考えられています。
このうち、ほとんどが②~⑥の機械的圧迫による絞扼性神経障害か、脳血管障害であるともいっていいかと思います。
絞扼性の神経障害は、機械的圧迫による虚血症状が主な原因と考えられているため、この場合のしびれの原因はほとんどが「虚血障害」が原因になると考えられています。

また「虚血」障害ににおいても、常に圧迫されているという虚血障害というよりも、体動により阻血と血流改善が繰り返し起こることが、しびれの主要な原因となるのではないかと考えられています。
これは阻血により大径線維が障害されて、再灌流により異常感覚が生じていると考えられているからです。

この阻血後の異常感覚ですが、大径線維ほど虚血に対して脆弱であるために、四肢の阻血により、大径線維の機能が停止してしまい触覚が低下してしまうことがその原因ではないかと考えられています。
実際に正座中に足先を触っても触覚を感じません。
この状態では大径線維であるAβ線維の機能は障害されていますが、一方でC線維の機能は障害されていないので、痛覚伝達経路は脊髄で抑制を受けずに視床・大脳皮質へ上行することになります。
この状態で阻血状態を開放すると、血管中に血液が再灌流し、その痛みが異常感覚「しびれ」として感じられるとされています。

一般的に触覚を伝達する大径のAβ線維は、鋭い痛覚を伝達する細径のAδ線維、さらに鈍痛といわれる遅い痛みを伝達するC線維を脊髄後根、さらには視床のレベルにおいて常に抑制していることがわかっています。
たとえば、私たちが感じる「かゆい」という感覚はC線維より伝達されますが、このかゆみを抑制するために皮膚を掻くことで触覚系うぃ刺激し、かゆみを伝達するC線維に抑制をかけることで、「掻く=かゆみが軽快する」という図式が成り立っています。

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