足関節外側靭帯損傷

足関節外側靭帯損傷は、スポーツ活動やトレーニング中の発生頻度が最も高いスポーツ傷害で、すべてのスポーツ外傷・傷害の15〜25%を占めるとされています。

傷害発生の要因には、不適切なトレーニング方法、スポーツ種目、競技レベル、使用器具、スポーツ環境などの外因性のものと、骨格構造のアライメント不良、筋力低下、関節可動域制限、靭帯弛緩などの内因性のものがあります。

前距腓靭帯は、外側靭帯のうちで最も伸張強度が弱いとされ、次いで踵腓靭帯が損傷されやすく、後距腓靭帯は最も強度が強く損傷されにくいとされています。

しかし、靭帯の強度と損傷頻度は直接相関するものではなく、靭帯の強度には、伸張性、最大破断強度などの多数の要素があり、単純の比較できるものではありません。

損傷程度は、一般的にグレード分類で評価されます。

グレードIは、微細損傷で、機能低下を伴いません。

グレードIIは靭帯の部分的な損傷また伸張で、多少の機能障害を伴います。

グレードIIIは、完全断裂で、靭帯の機能は完全に失われます。

足関節外側靭帯損傷は、保存的に治療される場合が多く、特にグレードIとグレードIIではその傾向が強くあります。

グレードIII損傷は手術的に治療される場合もありますが、機能回復が早い点で、保存的療法のほうが有効であるとする報告もあります。

この報告は、手術群と非手術群の両者に、1週間程度の固定後に同様の早期機能回復訓練を行った結果を比較したものです。

したがって、ここでいう保存療法は、3〜6週間のギプス固定を行う長期固定療法は指しません。

また、足関節のリハビリテーションにおいては機能的アプローチが重要だと言われており、その重要性は多くの研究者によって唱えられてきました。

受傷後の急性期である初期のリハビリテーションの内容は、腫脹や疼痛、可動域の管理が主だったものになります。

足関節はできるだけ背屈位に保って、関節の初期安定性を保ち関節包の伸展を避けるようにします。

初期の固定肢位は、足関節周囲の筋力および靭帯のバランスを考慮すると、中間位とするのが最も現実的であると考えられます。

少なくとも前距腓靭帯に緊張がかかる底屈位での固定は避けるべきでしょう。

受傷後の3週間は足関節を内反しから保護して靭帯の弛緩を引き起こすIII型コラーゲンの形成を防ぐ必要があります。

訓練は、矢状面上の動作に特に重点をおいて行うべきだと考えられています。

早くからすべての方向での可動性を回復することも重要で、これが緊張に対して最もよく反応するI型コラーゲンの形成を促進します。

腫脹や疼痛の軽快後のリハビリテーションの焦点は、可動域の回復、荷重能力改善、等尺性筋力の強化にあります。

この訓練では、一般的にゴムバンドやゴムチューブによる訓練が行われます。

また、固有知覚訓練も足関節リハビリテーションの重要な要素です。

不安定板による訓練を受けた患者は、固有知覚能力が高く、捻挫の再発が起こりにくいとされています。

さらにバランス訓練や協調訓練は足関節の不安定感を減らし、固有知覚を改善させます。

 

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