オメガ3脂肪酸の抗炎症機能

EPAやDHAなどの「オメガ3脂肪酸」は魚油などに多く含まれていて、「オメガ3脂肪酸」は視力の維持や脳神経系の発達において重要であり、特にDHAは何らかの特異的機構によって脳神経組織に濃縮されています。
これら必須脂肪酸は、文字通り哺乳動物の恒常性維持に必須であり、かつ体内で生合成できないため栄養として摂取する必要があります。
「オメガ3脂肪酸」の多彩な作用については、例えばアラキドン酸と競合することで「起炎性エイコサノイド」の産生を阻害することや、EPA由来の「エイコサノイド」の活性がアラキドン酸由来に比べて弱いことなど、その作用機構は諸説考えられています。

炎症というものは多くの疾患に深く関わってくるものです。
それらは、リウマチ性関節炎や肺炎、腸炎などの明らかな炎症性疾患のみならず、最近では糖尿病、肥満、動脈硬化などの代謝性疾患にも関わっていることが明らかになってきました。
したがって、炎症反応をいかにコントロールするかということは、医学薬学領域における重要課題とされています。

そもそも炎症反応とは、それ自身は感染症などに対する重要な生体防御反応であり、わたしたちが自然界と共存していくうえで必須の機能になります。
通常はいったん起こってしまった炎症反応は、その役割を果たした後にすみやかに収束するようになっています。
しかしながら、炎症反応がうまくコントロールされずに過度に活性化され続けると組織損傷を引き起こし、慢性炎症あるいは瘢痕化などへ移行してしまう場合があります。

「オメガ3脂肪酸」の抗炎症作用は、炎症部位で好中球の活性化に伴って一過性に高まり、局所的に効果を発揮しているものと考えられています。
個々の作用メカニズムについてはまだまだ報告されていない部分も多いですが、一連のオメガ3脂質代謝物が内在性の炎症調節因子として機能することは聞違いないと考えられています。

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