運動スキーマと運動コスト

複雑な運動を構成する単純な時間的・空間的要素は、運動プリミティブまたは運動スキーマとよばれます。

コンピュータグラフィックスの単純な直線や楕円や四角形のように、運動スキーマも大きさや時間のスケールを変更することができます。

把持、書字、タイピング、描画などの複雑な行動の神経表現は、これらの単純な時間的・空間的要素の集合として蓄えられると考えられます。

さまざまな課題に対する最近の計算論的研究からは、運動スキーマのレパートリーは、すべての動作方法をランク付けして、最善のものを選択するプロセスの結果であることが示唆されています。

この考え方は、われわれの運動が、何らかの限界に到達するまで、進化あるいは運動学習を通じて次第に改善されることを含んでいます。

脳は、ある運動の良し悪しを定量化するため、可能な運動の1つ1つにコストを割りあて、コストが最小の運動を実行するよう働きます。

コストは運動と課題の関数として表現され、研究者らは、観察される運動パターンや摂動の研究からこの関数の形を特定しようと努力してきました。

また、コストはキネマティクスで決まる場合もあります。

例えば、運動の滑らかさが足りない場合には、運動の全体にわたって合計した手の加速度の変化率が最小になるように修正することができます。

あるいは、コストは動力学的に決定される場合もあります。

例えば、運動出力の変動は運動指令の大きさに比例するため、意図する一連の運動指令を何度も繰り返しているうちに、実際の運動の分布が得られます。

一連の運動指令を修正することにより、この分布を制御することが得られます。

単純な照準運動では、コストは目標に関する変動として測定される最終的な誤差になります。

このコストを最小化するモデルは、眼と手の両方の運動の軌道を正しく正確に予測できるであろうと推測されます。

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